- 2025/09/02 掲載
テスラ欧州販売台数は8月も低調、マスク氏反発や競争激化が依然響く
[ロンドン 1日 ロイター] - 米電気自動車(EV)大手テスラの欧州における販売台数は、一部の国を除いて8月も低調な水準が続いた。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)の政治活動への反発に加え、同業の中国BYD(比亜迪)などとの厳しい競争に直面していることが原因だ。
テスラは2020年の「モデルY」以来、新たな大衆向けモデルを投入していないが、新興の中国メーカーや既存の大手メーカーはいずれも次々に新モデルを市場に送り込んでいる。
1日公表された8月のテスラの新車登録台数(販売台数)を見ると、フランスでは前年比47.3%減少した。同国の新車登録台数全体は2.2%増加した。
そのほかスウェーデンは84%減(全体は6%増)、デンマークは42%減、オランダは50%減、イタリアは4.4%減となった。
テスラ車が広く普及しているノルウェーは21.3%増、ポルトガルは28.7%増、スペインは161%増と健闘した。ただBYDは8月にノルウェーで218%増、スペインで400%増を記録している。
シュミット・オートモーティブの欧州自動車市場アナリスト、マティアス・シュミット氏は「テスラの失望を誘う販売台数は、より競争が激しくなっている市場環境に起因する面がある」と分析。テスラの上半期の西欧市場シェアが前年同期の2.5%から1.7%に低下したことが判明した7月に、マスク氏が「欧州市場の販売台数について何の問題もない」と主張したのは「妄想」に聞こえたと述べた。
テスラは欧州での販売台数減少に関して、モデルYの刷新版への生産移行が影響しているとの見解を示していたものの、6月に欧州の大半でその刷新版が投入されたモデルYの8月の販売台数はデンマークで46.5%、スウェーデンでも87%落ち込んだ。
大口献金によってトランプ米大統領の当選を後押しし、欧州の極右勢力への支援姿勢を打ち出しているマスク氏が消費者の反感を買い、テスラのブランドを傷付けているとの見方も根強い。
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