- 2025/09/12 掲載
中国8月新規銀行融資、回復も予想に届かず 信用需要の低迷続く
[北京 12日 ロイター] - 中国の8月の新規銀行融資は、前月のマイナスからは持ち直したものの、市場予想を大きく下回った。不動産市場の長期低迷や、政府による過剰生産能力の抑制策が融資需要を圧迫した。
中国人民銀行(中央銀行)が12日に発表した1─8月のデータに基づきロイターが算出したところによると、8月の人民元建て新規融資は5900億元(828億4000万ドル)となった。
ロイターがまとめたアナリスト予想は8000億元。7月は500億元のマイナス、前年同月は9000億元だった。
1─8月の新規融資は13兆4600億元で前年同期比6.7%減少した。
中国政府は先月、借り入れ負担を軽減して消費を下支えするため、家計や企業向けの銀行融資を一部補助すると発表した。シティのエコノミストは調査ノートで、これらの補助金により一部の借り入れ判断が遅れた可能性があると指摘した。
8月の人民元建て融資残高は前年同月比6.8%増と前月の6.9%増から鈍化し、過去最低を記録した。アナリストは6.9%増と予想していた。
キャピタル・エコノミクスはリポートで、「民間の信用需要の低迷により、8月の銀行融資の伸びはさらに鈍化した。また、国債発行の伸びは今年初めて鈍化し、結果として信用全体の伸びの減速につながった」と分析した。「今後数カ月で信用の伸びはさらに弱まる可能性が高い」と予想した。
ロイターの算出によると、8月の家計向け新規融資は303億元と、7月の4893億元のマイナスから回復した。企業向け融資は5900億元と、前月の600億元から増加した。
マネーサプライM2の前年比伸び率は8.8%と、アナリスト予想の8.7%を上回った。7月は8.8%だった。より狭義のマネーサプライM1の伸び率は6.0%と、7月の5.6%から拡大した。
広義の与信・流動性を示す社会融資総量残高は前年比8.8%増と、前月の9.0%増から鈍化した。
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