- 2025/11/11 掲載
金融資産のトークン化、新たなリスク生む可能性 IOSCOが指摘
[パリ 11日 ロイター] - 世界各国の証券監督当局などで構成する国際機関、証券監督者国際機構(IOSCO)は11日発表した報告書で、株や債券などの実物資産の所有権や権利をブロックチェーン技術でデジタルトークンとして発行する「トークン化」について、金融業界ではその意義について意見が分かれており、投資家に新たなリスクをもたらす可能性があると指摘した。
トークン化に関するリスクは大部分が既存の枠組みの範囲内だが、基礎となる技術に起因する新たなリスクや脆弱性が生じる可能性があると述べた。
IOSCOの理事会レベルのフィンテックタスクフォースのトゥアン・リー・リム議長は、「トークン化は、導入はまだ限定的ながら、金融資産の発行、取引、サービス提供の方法を変える可能性を秘めている」と述べた。
トークン化された資産の構造化方法が複数あることで投資家は原資産を所有しているのか、あるいはトークンを所有しているだけなのか分からなくなる可能性があり、サードパーティーのトークン発行者はカウンターパーティーリスクを生む恐れがあると指摘。
「トークン化は、暗号資産市場との相互連携が強まることによる波及効果の影響を受ける可能性もある」と述べた。
金融業界では、ナスダックなどのようにトークン化を推進する機関もあれば、リスクを懸念する企業もある。
トークン化推進派は、ブロックチェーンを利用することで取引コストの低下、決済の迅速化、24時間取引が可能になり、若い投資家を引き付けることができると主張する。
IOSCO は、市場参加者は取引プロセスをブロックチェーンに置き換えるのでなく、従来の市場インフラを使用する必要があるとして、「効率性の向上は不均一」と指摘した。「発行体は、実際に定量化できる効率性の向上があったとしても、それを公表する傾向はない」と述べた。
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