- 2025/11/28 掲載
ECB、利下げ急がず 緩和終了との主張も=10月理事会議事要旨
ECBは10月の理事会で主要政策金利である中銀預金金利を3会合連続で2%に据え置いた。ラガルド総裁は理事会後の記者会見で、「金融政策の観点から、われわれは良好な位置にある」と述べた。これを受け、ECBが年内は追加利下げを実施しないとの見方が強まり、市場が現在織り込む追加利下げの確率はわずか3分の1となっている。
議事要旨によると、当局者は上振れと下振れの双方向のリスクがあることを考慮し、「現行の政策金利水準は、ショックに対応する上で十分に強固 と見なされるべきだ」と指摘。その上で「より多くの情報を得てから判断することの価値は引き続き高い」との見方を改めて示した。
見通しは引き続き比較的良好で、最悪のリスクの一部が弱まる中、一部当局者は「リスクが顕在化しない限り、現在の良好な見通しは維持される可能性が高いため、利下げサイクルは終了した」と主張し、「慎重なアプローチを取ることで、良好な状態を維持できる可能性は高まる」とした。
一方、あらゆる政策オプションを残し、特にインフレ目標の未達が続くと予想される場合には、利下げの可能性を完全に排除すべきではないとの反対意見も聞かれた。
<利下げ議論、来年再開の可能性>
10月理事会以降の経済指標により、市場ではECBが今後数カ月間は金利を据え置くとの見方が強まっている。エネルギー価格の急落によるベース効果からインフレ率はECBの目標を下回る見通しで、利下げを巡る議論が来年再開される可能性がある。
ECBは一時的なエネルギー価格変動によるインフレへの影響は重視しないものの、一部の当局者は、目標を下回る指標はインフレ期待を押し下げ、低調な物価の上昇を永続化させる可能性があると指摘した。
要旨は「理事会は今後の会合においてあらゆる政策手段を利用できる状態を維持し、状況に迅速に対応できる機敏性を備えておくことが重要」とし、「今後の金利決定について明確な意思表示は避けるべき」とした。
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