- 2025/11/28 掲載
米メディケアの薬価引き下げ、大半の製薬企業は対応可能=アナリスト
[ロンドン 26日 ロイター] - 米政府が25日遅くに発表したメディケア(高齢者向け公的医療保険)の最大85%の薬価引き下げについて、アナリストらは製薬会社への影響は当初懸念されたほど大きくないとの見通しを示し、既にその大半が業績予想に織り込み済みだと指摘した。
デンマーク製薬大手ノボノルディスクの主力製品である糖尿病治療薬「オゼンピック」と肥満症薬「ウゴービ」の有効成分であるセマグルチド、イスラエル同業テバ・ファーマシューティカル・インダストリーズのハンチントン病治療薬「オーステド」など処方薬15品目が薬価交渉の対象医薬品に含まれている。新たな薬価は2027年から適用される。
今回の発表と最近のホワイトハウスでの合意により、ウゴービや米イーライリリーの肥満症薬「ゼップバウンド」など人気のGLP-1受容体作動薬の価格設定が明確になる。
バーンスタインのアナリスト、クリスチャン・ムーア氏は、ノボノルディスクのセマグルチドの交渉価格は「長期化したが前向きに解決したGLP-1薬の価格論争における最後の懸案事項だった」と述べた。
トランプ政権が他の富裕国、特に欧州諸国の製薬業界に対して処方薬の価格を引き下げるよう働きかける中、メディケアでの薬価引き下げが実施される。米国では処方薬の価格が他国を圧倒的に上回っている。
ゴールドマン・サックスは、26年上半期の重要な問題として、メディケアの価格引き下げによってウゴービの販売量が増えるかどうかだとの見方を示した。
バーンスタインのアナリストは、対象処方薬15品目のうち5品目が27年までにジェネリック(後発医薬品)となり、価格下落リスクは限定されると指摘。価格低下により患者が先発薬による治療を継続する期間が延び、販売数量が増加する可能性もあるとした。
価格引き下げは、ノボノルディスク、英アストラゼネカ、グラクソ・スミスクラインの業績見通しに既に織り込み済みとの点で、アナリストらの意見は一致している。
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