• 2025/12/02 掲載

アングル:ウクライナ、グーグルと独自AIシステム開発 決め手は多言語対応

ロイター

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Leo Marchandon Gianluca Lo Nostro

[1日 ロイター] - ウクライナは、米グーグルの生成人工知能(AI)、「Gemma(ジェマ)」を活用し、大規模言語モデル(LLM)を開発する。軍民両面での需要増加に対応し、独立したAIシステムを構築する。

ウクライナのデジタル転換省と通信大手キーウスターが1日、発表した。初期のAI学習にはグーグルのインフラを使い、その後完全に国内インフラへ移行する計画。国民2300万人が日常的に利用するAIシステムを、完全に自国で管理できるようにする。

キーウスターは「ウクライナのLLMは、国内の公共・民間セクターにおける次世代AIサービスの基盤になる」と表明した。

フェドロフ副首相兼デジタル転換相は8月、軍がすでにAIを航空・衛星偵察やドローン操縦に利用していると明らかにした。同省のボルニャコフ副大臣は9月、ロイターの取材に、軍がAIを戦場管理システムに組み込み、部隊の調整や敵の監視に活用する意向だと述べていた。

<多言語に対応>

ウクライナは多言語国家で、デジタル転換省が示した書類によると、Gemmaは多言語への対応能力が評価され、採用された。

キーウスターはGemmaの選定について、同社が今年8月に米ナスダックに上場したことで深まったウクライナと米国の技術的、経済的結びつきが、さらに強固になったとの見解を示した。

関係筋2人によると、米メタ・プラットフォームズの「Llama」と仏ミストラルのAIモデルも検討対象だった。

<ロシアの攻撃に備え>

現在、モデル開発に向けて4つの諮問委員会が設置され、90を超える政府機関から裁判所記録、教育出版、地域資料、戦争におけるロシアの行為などについて、データ収集が始まっている。

AIシステム導入に際してはロシアのサイバー攻撃やエネルギーインフラへの攻撃が懸念されるため、キーウスターが3500台以上の予備発電機を設置するなど、対策が講じられている。ボルニャコフ氏は「公開直後に攻撃されることは承知している」と述べた。

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