- 2025/12/04 掲載
途上国の債務負担、「危険水域脱していない」 世銀が警告
[ロンドン 3日 ロイター] - 世界銀行が3日公表した2025年の「国際債務報告書」によると、途上国は22-24年の債務返済額が借換額を7410億ドル上回り、この格差は過去50年余りで最大になった。24年の途上国による利払い総額も4154億ドルと過去最高を記録した。
世銀チーフエコノミストのインダーミット・ギル氏は「国際的な金融環境は改善しているかもしれないが、途上国は危険水域を脱していない」と警告。債務が時には新しく、弊害のある形で積み上がり続けていると付け加えた。
世界全体で長らく継続された利上げサイクルが終わり、大半の国にとって債券市場を通じた資金調達の道が再開されたため、新規発行額は数十億ドルに上っている。ただ借り入れ金利は10%弱と20年以前の2倍前後に跳ね上がり、低コストの調達手段も少なくなった。
世銀は、新興諸国では資金調達で国内市場に対する依存度が高まっている点について、各国の債券市場が発展している兆しだと評価しつつも、こうした調達は国内の銀行から民間への融資を圧迫するとともに、債務短期化によって借り換えコストが押し上げられる恐れがあると指摘した。
一方二国間融資による途上国の24年の借り入れは45億ドルで、前年比76%減と08年の金融危機以来の水準まで落ち込み、各国はより割高な民間からの借り入れを迫られている。
国際機関からの途上国向け融資は増加し、世銀の融資額も過去最高の360億ドルに達したが、低所得国の54%は現在、債務返済に困窮しているか、高い債務リスクに直面しているという。
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