- 2025/12/08 掲載
独10月鉱工業生産、予想上回る 景気回復はなお遠く
Maria Martinez
[8日 ロイター] - ドイツ連邦統計局が8日発表した10月の鉱工業生産指数は前月比1.8%上昇し、予想を大幅に上回った。しかしエコノミストは、構造的な逆風が企業に引き続き打撃を与えているため、景気回復の兆しは見られないとしている。
上昇は2カ月連続となった。ロイターがまとめた市場予想は0.4%上昇だった。
前年同月比(日数調整後)では0.8%上昇した。
8─10月は直前の3カ月との比較で1.5%低下した。
9月分は速報値の前月比1.3%上昇から1.1%上昇に改定された
ドイツ商工会議所(DIHK)で経済を担当するユップ・ゼンゼン氏は、鉱工業生産は今年大きく落ち込んでおり、まだ安心できる段階にはないと述べた。ドイツのコスト水準は国際基準と比べて高く、受注は依然として低迷していると指摘した。「このことが早期回復への期待を弱めている」と述べた。
キャピタル・エコノミクスの欧州シニアエコノミスト、フランツィスカ・パルマス氏は、10月の鉱工業生産は8月の大幅な落ち込み前の水準をなお0.9%下回っており、2023年2月のピークと比べて約9%低いと述べた。「中期的に見ても、主要部門が構造的な逆風を受けており、鉱工業生産は減少基調になる」と予想した。
部門別では建設業が前月比で3.3%上昇し大きく寄与した。製造業(エネルギー生産と建設を除く)も1.5%上昇した。
コメルツ銀行のシニアエコノミスト、ラルフ・ソルビーン氏は、10月の伸びは夏場の大幅な落ち込みを相殺したにとどまり、生産は引き続き横ばい圏にあると述べた。「したがって、状況は変わっていない。数年間の衰退を経て業界は安定したように見えるが、いまだ回復の兆しはない」との見方を示した。
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