- 2025/12/09 掲載
英金融当局、リテール投資家の証券投資促進に向けた改革措置
[ロンドン 8日 ロイター] - 英金融行動監視機構(FCA)は8日、リテール投資家の証券投資を促進するための改革パッケージを発表した。欧州連合(EU)完全離脱以降で最も明確な投資規制の方向性を示す措置の1つだ。
FCAが打ち出したのは、EU加盟時代から残っていた情報開示規則の撤廃と職業的投資家の定義更新、投資環境におけるリスク概念の幅広い見直しという内容だ。
いずれも必要な投資家保護の措置を強化しつつ、リテール投資家にとって株式・債券投資の魅力度を高める狙いがある。
資産運用業界から歓迎されたのは、2018年にEUのリテール投資家向け金融商品販売に関する規制に基づいて導入された情報開示規則の廃止。その代わりにFCAは投資信託、投資会社、ユニットリンク型生命保険などの商品を対象とする「消費者向け複合投資(CCI)」制度を採用することを確認した。FCAによると、英国内で約1250万人の成人がCCI対象商品を保有している。
FCAは昨年からこの新制度に関する市中協議を行ってきたが、最終的な仕組みは当初案よりも踏み込んでいる。コスト開示を簡素化するとともに、リスクとリターンの関係を明確にした。新制度発効は2027年6月8日の予定だ。
またFCAはリテール投資家と職業的投資家の区別をより明確化しようとしている。職業的投資家は、FCAが課すより高い保護対応義務の対象にならない。今回の改革では、少なくとも1000万ポンド(1330万ドル)の現金を持つリテール投資家は、この保護義務の適用除外を選択できる。
最新ニュースのおすすめコンテンツ
PR
PR
PR