- 2025/12/10 掲載
新会長、課題山積の船出=問われる政治との距離―NHK
NHK次期会長に井上樹彦副会長が内定した。「生え抜き」会長の誕生は2005年1月就任の橋本元一氏以来。来年1月に発足する新体制で、受信料収入の減少やインターネットサービスへの対応など山積する課題に取り組む。公共放送として政治との距離感も厳しく問われそうだ。
「ネットが主体の時代でも、NHKが必要だと思ってもらわないといけない」。9日の就任会見で、井上氏は決意を述べた。ネットによる動画視聴が普及し、テレビの存在感が薄れる中、現在の稲葉延雄会長が進めてきた支出削減や受信料未払い対策などを継続する考えを示した。
会長選出には紆余(うよ)曲折があったもようだ。古賀信行経営委員長は、選任手続きが佳境に入った11月、「難題山積で(会長職を)受ける人がいるのだろうか。募集したいぐらい」と本音を吐露。ある自民党幹部は「あの報酬で国会答弁に立たされる。財界でなり手がいない」と嘆いた。
別の自民党関係者によると、井上氏の会長就任には高市早苗首相が難色を示すとの見方が浮上、一時は「差し替え論」も取り沙汰されたという。
井上氏は会見で、会長決定のプロセスについて「経営委員会の議論以外の要素はない」と述べ、政治的な介入はないと強調した。政治部長などの経験を生かしながら「公平公正な報道」による信頼回復を実現できるか、手腕が試される。
【時事通信社】
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