- 2025/12/18 掲載
NY市場サマリー(17日)ナスダック3週間ぶり安値 ポンド下落・ドルは上昇 米国債小動き 原油反発
ポンドは0.34%安の1.33749ドル。18日の中銀金融政策委員会での0.25%ポイント利下げ確率をほぼ100%織り込んだ。1日の下落幅としては最大となる見込み。
英国立統計局(ONS)が17日発表した11月の消費者物価指数(CPI)は前年比伸び率が3.2%で、10月の3.6%から低下し、3月以来の低水準となった。
TSロンバードのアナリスト、アレクサンドロス・ゼノフォントス氏は「今回のデータは政策委員会(MPC)が明日利下げを実施するには十分だが、2026年に複数回の利下げを正当化するほどには十分ではない」と指摘した。
ドル指数は0.16%高の98.37となった。年初来では約9.5%下落しており、17年以来最大の年間下落率となる見込みだ。
市場は今週予定されている主要中央銀行の政策決定を待っている。18日のイングランド銀行と欧州中央銀行(ECB)のほか、19日には日銀の政策発表も控えている。日銀は利上げすると予想されている。
ドル/円は0.6%上昇し、155.625円となった。
ユーロは1.174375ドルで横ばいとなった。ECBは政策金利を据え置くと見込まれている。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは2.18%下落して8万5874.32ドルとなった。イーサリアムは4.66%安の2814.11ドルだった。
NY外為市場:[USD/J]
<債券>小動き。連邦政府機関閉鎖の影響で、発表が遅れたり一部が欠落したりする経済指標を市場が見極める中、米連邦準備理事会(FRB)が数カ月は追加利下げに踏み切らないとの見方が広がっている。
ミシュラー・フィナンシャル・グループのトム・ディガロマ氏は「市場はいまだデータの焦点を欠いている」と述べつつ、「そのデータが正しいのか、将来大きく変わるのか精査している」とした。
フェデラルファンド(FF)金利先物市場では、1月27─28日の次回FOMCでの利下げ確率は24%にとどまり、次の利下げは4月との見方が優勢となっている。
2年債利回りは0.8ベーシスポイント(bp)上昇の3.487%。10年債利回りは4.149%とほぼ変わらず。2年債と10年債の利回り格差は約0.5bp拡大し66bpとなった。
ここ数カ月、債券利回りはFRBの次の材料待ちで狭いレンジでの推移が続いている。ディガロマ氏は「新たなFRB議長が決まり方向性が示されるか、景気が急改善または急悪化しない限り、今は大きく読み取るものはない」と述べた。
FRBの次期議長候補に名前が挙がっているウォラー理事は17日、トランプ米大統領がFRBの独立性に異議を唱えた場合、「絶対に」FRBの独立性を擁護すると述べた。
財務省が同日実施した20年債入札は堅調な需要を集めた。
米金融・債券市場:[US/BJ]
<株式> 主要3指数が下落し、S&P総合500種とナスダック総合は3週間ぶりの安値に沈んだ。人工知能(AI)トレードを巡る懸念がハイテク株の重しとなった。
オラクルが急落。ブルー・アウル・キャピタルがデータセンター建設計画への出資を見送ると報じられた。
オープンAIへの約100億ドルの投資について協議していると伝わったアマゾン・ドット・コムは小幅に下落した。
AI開発に向けたテクノロジー業界の負債拡大を巡る懸念から、このところリスク選好が後退している。
ベアード・プライベート・ウェルス・マネジメントの投資ストラテジスト、ロス・メイフィールド氏は「AIトレードを巡る不安が広がっている。主な要因は設備投資の規模と一部支出の循環性で、オープンAIがその中心にある」と指摘。「新年に向けてより広範な問題は、こうした支出全体の持続可能性と投資収益率だ」と述べた。
半導体大手のエヌビディアとブロードコムもそれぞれ3.8%安、4.5%安となった。アルファベットは3.2%下落。ロイターは同社傘下グーグルがメタと協力し、エヌビディアのソフトウエア上の優位性を削ぐ新たな取り組みを開始したと報じた。
メディア大手ワーナー・ブラザース・ディスカバリーの取締役会は、パラマウント・スカイダンスによる1084億ドルの敵対的買収案を拒否した。ワーナーの資産買収で合意しているネットフリックスは0.2%上昇。パラマウントとワーナーはそれぞれ5.4%安、2.4%安となった。
原油価格の上昇を受けてエネルギー株は好調。コノコフィリップスとオクシデンタル・ペトロリウムがともに4%超上昇した。
米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事がFRBには依然として金利を引き下げる余地があるとの認識を示したことは一定の安心材料となった。
ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄が値上がり銘柄を1.5対1の比率で上回った。ナスダックでも値下がり銘柄が値上がり銘柄を2.11対1の比率で上回った。
米取引所の合算出来高は179億2000万株。直近20営業日の平均は169億7000万株。
米国株式市場:[.NJP]
<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米利下げ継続期待やベネズエラを巡る地政学リスクの高まりを背景に買われ反発。中心限月2月物の清算値(終値に相当)は中心限月として10月中旬以来約2カ月ぶりに最高値を更新した。
トランプ米大統領は16日、制裁対象となっている石油タンカーの南米ベネズエラへの出入港の全面封鎖を命じると発表。さらに、ベネズエラのマドゥロ政権を外国テロ組織に指定したとも表明した。米軍は9月以降、ベネズエラ沖で「麻薬密輸船」とする船舶を繰り返し攻撃。反米左派のマドゥロ政権打倒を目指すトランプ政権が軍事的圧力を一段と強める措置を取ったため地政学リスクの高まり、安全資産としての金需要が膨らみ、相場は一時4380ドル台まで上昇した。
米連邦準備制度理事会(FRB)が来年も金融緩和を継続するとの期待も、利子の付かない資産である金の買いを支えた。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米政権による南米の産油国ベネズエラへの圧力強化を警戒し、5営業日ぶりに反発した。
ベネズエラを巡る地政学的リスクの高まりが警戒され、相場は未明に一時56.74ドル付近まで上昇。ロシアとウクライナの停戦合意期待を背景に、約4年10カ月ぶりの安値に沈んだ前日の反動もあり、買い戻しが台頭した。
一方、米エネルギー情報局(EIA)が午前に発表した週報では米原油在庫が市場予想とおおむね一致したものの、ガソリン、ディスティレート(留出油)は予想を上回る在庫の積み増しで、これを受けて相場の上値は重くなり、取引終盤に56ドル台を割り込んだ。
NYMEXエネルギー:[CR/USJ]
ドル/円 NY午後4時 155.68/155.
73
始値 155.54
高値 155.75
安値 155.36
ユーロ/ドル NY午後4時 1.1739/1.17
40
始値 1.1708
高値 1.1758
安値 1.1709
米東部時間
30年債(指標銘柄) 16時49分 96*25.50 4.8282%
前営業日終値 96*28.00 4.8230%
10年債(指標銘柄) 16時48分 98*24.00 4.1548%
前営業日終値 98*25.50 4.1490%
5年債(指標銘柄) 16時49分 99*03.25 3.7000%
前営業日終値 99*04.25 3.6930%
2年債(指標銘柄) 16時48分 99*25.25 3.4871%
前営業日終値 99*25.75 3.4790%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 47885.97 -228.29 -0.47
前営業日終値 48114.26
ナスダック総合 22693.32 -418.14 -1.81
前営業日終値 23111.46
S&P総合500種 6721.43 -78.83 -1.16
前営業日終値 6800.26
COMEX金 2月限 4373.9 +41.6
前営業日終値 4332.3
COMEX銀 3月限 6690.1 +357.8
前営業日終値 6332.3
北海ブレント 2月限 59.68 +0.76
前営業日終値 58.92
米WTI先物 1月限 55.94 +0.67
前営業日終値 55.27
CRB商品指数 293.7968 +2.1044
前営業日終値 291.6924
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