- 2025/12/19 掲載
長期金利、節目の2%台に=利上げ観測や財政悪化懸念―19年7カ月ぶり高水準
19日の東京債券市場で、長期金利の指標となる新発10年物国債の流通利回りが一時、心理的節目の2%台に上昇(債券価格は下落)した。2006年5月以来、約19年7カ月ぶりの高水準。日銀の利上げが継続するとの思惑や、高市政権下で財政悪化が進むとの懸念から、債券売りが強まっている。
日銀は19日の金融政策決定会合で、政策金利を現行の0.5%程度から0.75%程度に引き上げることを決めた。市場では、日銀は来年も利上げ路線を続けるとの見方が広がっている。
高市政権による拡張的な財政政策が国債の需給を悪化させるとの警戒感も根強く、金利の上昇圧力は高いままだ。
長期金利はバブル経済崩壊後に低下傾向となり、1990年代後半に2%を割り込んだ。その後は上下しながらも、デフレ不況の長期化や08年のリーマン・ショック後の景気悪化などで低水準が定着。日銀が13年に異次元緩和を始めたことで低下が加速し、16年にマイナス金利政策が導入されると一時マイナス0.3%に沈んだ。
極端な低金利の弊害が強まったため、日銀は24年にマイナス金利政策を解除し、段階的な利上げによる金融正常化を開始。長期金利も上昇に転じ、高市政権が今年10月に発足したのを契機に一段と上がっている。
【時事通信社】 〔写真説明〕東京債券市場で長期金利が一時2%台に上昇したことを示すモニター=19日午後、東京都中央区
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