- 2025/12/20 掲載
米11月中古住宅販売、0.5%増の413万戸 高金利で伸び限定的
Lucia Mutikani
[ワシントン 19日 ロイター] - 全米リアルター協会(NAR)が19日に発表した11月の米中古住宅販売戸数(季節調整済み)は年率換算で前月比0.5%増の413万戸となった。ロイターがまとめたエコノミスト予想は415万戸。経済の不透明感や高水準にある住宅ローン金利で需要が抑制されたほか、市場に出回る在庫が限られたため、わずかな伸びにとどまった。前年同月比では1.0%減少した。
NARのチーフエコノミスト、ローレンス・ユン氏は「在庫の増加は停滞し始めている」とし、「住宅資産は過去最高となっていることから、住宅所有者は冬場に売り急ぐ必要性がない状況だ」と指摘した。
米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)のデータによると、30年固定住宅ローンの平均金利は年初の水準からは低下したものの、6%台で推移している。11月の失業率は4.6%に上昇し、賃金上昇率も減速している。
サンタンデールUSキャピタル・マーケッツの米国チーフエコノミスト、スティーブン・スタンリー氏は「ここ数カ月の住宅ローン金利の低下で需要がわずかに押し上げられたことが示されたが、市場が明確に反転するには不十分」と指摘。パンテオン・マクロエコノミクスの米国担当上級エコノミスト、オリバー・アレン氏は「ここ数カ月、売りに出される中古住宅戸数の回復が停滞しているほか、労働市場が軟調になっていることで転居を考える世帯数の減少が予想される」とし、「住宅市場はなお強い向かい風に直面している」と述べた。
地域別の販売戸数は北東部が4.1%増加したほか、人口が集中する南部では1.1%増加。住宅価格が手ごろとされる中西部では2.0%減少した。西部は横ばいだった。
11月の中古住宅在庫は前月比5.9%減の143万戸と、3月以来の低水準。前年同月比では7.5%増加したものの、増加率は2桁増だった前月から鈍化した。
販売ペースに基づく在庫の消化期間は4.2カ月。前年同月は3.8カ月だった。
中古住宅価格の中央値は前年同月比1.2%上昇の40万9200ドル。住宅が市場に出ていた期間は36日と、前年同月の32日から延びた。
初回住宅購入者の割合は30%で、前年同月と同水準。住宅市場が活況となるには40%程度まで高まる必要があるとされる。
現金のみによる販売は27%。前年同月は25%。差し押さえなどの物件は2%と、前年同月から横ばいだった。
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