ＪＲ東と伊藤忠、都心部で住宅開発＝不動産事業で戦略的提携

ＪＲ東日本と伊藤忠商事は２３日、不動産事業で戦略的に提携すると発表した。不動産市況の高騰で競争が激化する中、ＪＲ東の豊富な不動産と伊藤忠の開発ノウハウを組み合わせ、規模拡大と収益性の向上を狙う。まずは都心周辺にあるＪＲ東の社宅用地を使った住宅開発を行う。

来春を目安に、両社は子会社のＪＲ東日本不動産（東京）と伊藤忠都市開発（同）を経営統合し、提携を具体化させる。

ＪＲ東は、グループ保有の社宅跡地や車両基地といった豊富な資産を活用した不動産開発を強化している。一方、伊藤忠は分譲住宅や、スポーツや大規模イベント向けのアリーナなど、幅広い用途に関し、土地取得から開発まで一気通貫で行えるのが強みだ。喜勢陽一ＪＲ東社長は会見で「相互補完関係を構築し、両社の不動産事業を飛躍的に成長させたい」と語った。

他にもＪＲ東のアプリ「モバイルＳｕｉｃａ（スイカ）」を活用した協業を視野に入れる。

【時事通信社】 〔写真説明〕不動産事業での提携を発表したＪＲ東日本の喜勢陽一社長（左から２人目）と伊藤忠商事の石井敬太社長（同３人目）＝２３日午後、東京都港区