• 2025/12/23 掲載

ノボノルディスク株が7.5%急騰、米当局が肥満症治療の飲み薬を承認

ロイター

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[23日 ロイター] - デンマーク製薬大手ノボノルディスクの株価が23日朝方の取引で7.5%上昇した。米食品医薬品局(FDA)が同社の肥満治療用飲み薬を承認したことを受け、急成長する肥満治療市場で競争上の優位を確保したとの見方が広がった。

今回の承認により、ノボは強力な経口型減量薬を巡る競争で先行する形となり、米イーライリリーに奪われた市場シェアの回復を狙う。同社は2021年に注射型の減量薬「ウゴービ」を投入した際、供給不足に直面したが、今回は十分な準備が整っているとしている。マイク・ドゥースター最高経営責任者(CEO)は11月、「今回は錠剤の供給は十分以上にある」と述べ、発売に全力を挙げる考えを示していた。

BMOキャピタルのエバン・サイガーマン氏は、ノボは調合薬メーカーやリリーとの競争でシェアを落とし、株価も下落してきたと指摘する。一方で、今回の承認により、服用の利便性を重視する患者を取り込めるとして、先行者利益が期待できるとした。ただし、リリーの経口薬「オルフォグリプロン」が2026年に承認される可能性があり、その優位性は短期間にとどまる可能性もあるとした。

ノボは注射型減量薬では先行して市場参入したものの、爆発的な需要に供給が追いつかなかった。その間にリリーが競合薬「ゼップバウンド」で巻き返し、現在は米国での週次処方数で首位に立っている。

ベルビュー・アセット・マネジメントのポール・メジャー氏は、経口型減量薬は注射型を置き換えるのではなく、市場全体を拡大させる可能性があると指摘。「成人の10%超が自己注射に抵抗感を持っている」と述べた。ただし、飲み薬は注射薬より効果が劣るとして、市場を一変させるほどの存在になるかには疑問を示した。

シドバンクのソーレン・ロントフト・ハンセン氏は、ウゴービ飲み薬の需要は強いと予想し、世界の年間ピーク売上高は約240億デンマーククローネ(約37.9億ドル)に達すると見込んだ。2026年に予想されるGLP-1薬の価格低下などの逆風を和らげる上で、今回の発売は重要だと指摘した。

ノボの株価は年初来で50%超下落していたが、この日は欧州市場で上昇率首位となった。一方、フランクフルト市場に上場するリリー株は0.4%下落した。

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