- 2026/03/05 掲載
米小売業者、トランプ政権の関税変更で戦略を再検証
[4日 ロイター] - 米国の小売業者は関税を巡る状況が再び変わり、今年の消費支出を巡る見通しに新たな不確実性が加わったため、自社の戦略を慎重に検証し直し始めた。
ベスト・バイやターゲット、アバクロンビー・アンド・フィッチといった小売りチェーン大手の直近の決算発表後に各社幹部が話した内容からは、各社が再三変更された関税への対応に今なお追われていることが示された。トランプ米大統領は、連邦最高裁が違法と判断した相互関税などの代わりに導入した各国・地域に対する新たな関税の税率を10%から15%に引き上げると表明した。
イーマーケターのアナリスト、ザック・スタンボー氏は「中核的な問題は引き上げられた関税の税率ではなく、政策が揺らいでいることにある。小売業者は厳しい環境へ向けて計画を打ち立てることはできるが、毎日もしくは毎週のように変更される規則に対しては計画を立てられない」と述べた。
アパレル大手アバクロンビー・アンド・フィッチはこれまでのところ、改定された15%関税による影響を自社の年間業績見通しに明確に反映した唯一の小売業者だ。同社は撤回された関税の払い戻しを除き、15%関税が今年の年間売上高にもたらす影響を70ベーシスポイント(bp)相当と想定。これは2025年の売上高52億7000万ドルに対しては約4000万ドルになる。
アバクロンビーは今年初頭、関税によるコストを170bpに相当する約9000万ドルと推計していた。
一方、中国から商品を大量に輸入している家電量販大手ベスト・バイは3日、最高裁の判決によって関税引き下げへ向けた道が開かれたと説明したが、関税の変更による影響を業績見通しにはまだ反映させていない。
米国の政策を巡る不確実性は海外にも波及している。
ドイツのスポーツ用品大手アディダスは、米国の関税とドル安が26年の利益を4億ユーロ(4億6548万ドル)ほど押し下げるとの見通しを示した。同社はベトナムなどからの輸入品に対する高関税に直面している。
<値上げは最後の手段>
ベスト・バイの経営陣は、今なお「動いている多数の要因」があると指摘。値上げは最後の手段と位置付ける一方、調達先を分散化しながらサプライヤーとの交渉を進めていると明らかにした。
ディスカウントストア大手ターゲットの経営陣も同様の見解だ。同社のマイケル・フィデルケ最高経営責任者(CEO)は「われわれは価格が消費者の予算に重大な意味を持つことを熟知しているので、価格はわれわれが操作する最後の手段だ。それは今年、経営環境がどのように変化しようと、われわれが持ち続ける基本的考え方だ」と述べた。
小売大手ウォルマートは先月、米国の消費者は依然として支出に際して商品を厳選しているとして、慎重な年間業績見通しを示した。
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