- 2026/04/02 掲載
FRB現行策「適切」、中東起因の物価リスク警戒=セントルイス連銀総裁
Michael S. Derby David Lawder
[ワシントン 1日 ロイター] - 米セントルイス地区連銀のムサレム総裁は1日、中東情勢に起因するインフレリスクの高まりに警戒感を示し、連邦準備理事会(FRB)が金融政策スタンスを変更する必要性は当面は見当たらないとの認識を示した。
ムサレム氏はワシントンのアメリカン・エンタープライズ研究所での講演で「FRBが担う2重の責務(最大雇用と物価安定)の双方のリスクに対応する上で、現在の政策は適切な位置にある。現行の政策金利の水準は、当面、妥当であり続けると考えている」と述べた。
同時に「中東での交戦のほか、関税政策に起因する不確実性により、上半期に消費や企業支出が押し下げられる可能性がある」とし、燃料や肥料などの価格上昇も経済の重荷になる恐れがあると指摘。経済見通しの不確実性が高まっているとの認識を示し、こうした環境下で「労働市場と物価を巡るリスクは共に望ましくない方向に傾いている」と言及。FRBはこれまで供給面での衝撃を一時的なインフレ要因として看過する傾向があったが、現在の状況はこれまでとは異なる可能性があるとの考えを示した。
FRBの将来的な金融政策の方向性としては、利下げと利上げの双方があり得ると指摘。労働市場が弱体化するリスクが一段と明確になり、物価上昇リスクが低い場合は利下げを支持する可能性があるとし、コアインフレ率と中長期的なインフレ期待がFRBが目標とする2%を持続的に上振れするなどした場合はFRBは利上げに動く可能性もあると述べた。
ムサレム氏は講演後、中東での交戦に伴うエネルギー価格の上昇による影響は確実に全体的な物価情勢に波及するとし、エネルギーと食品を除くコアインフレ指数に対する上昇圧力になる可能性もあると指摘。中東での戦闘が早期に終結した場合でも、経済に対する影響を巡る不確実性は一定期間は続くとの見方を示し、「戦闘が終わった後も、損傷を受けた生産能力を元に戻すには時間がかかり、損壊した設備の中には再稼働できないものもある。こうした余波を注視しなければならない」と語った。
その上で、イランを巡る軍事攻撃に起因する原油やその他のコモディティ(商品)の供給を巡る問題について、ロシアがウクライナに対する全面侵攻を開始した2022年時点よりは米経済の対応能力は高まっているものの、政策当局が警戒を怠ることはあってはならないとの考えを示した。
ムサレム総裁は今年の連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持っていない。
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