- 2026/04/02 掲載
香港高級オフィス市場底打ち IPO急増で本土・外資の需要拡大
[香港 2日 ロイター] - 香港の金融中心部における高級オフィス市場は、約7年続いた下落局面をようやく脱しつつある。不動産業界関係者によると、活況を呈する資本市場を背景に、中国本土企業と多国籍企業の双方で需要が拡大している。
背景には、2025年の記録的な新規株式公開(IPO)ブームがある。同年の香港での資金調達額は231%増の370億ドルに急増した。今年も上場候補案件が数多く控えている。
中国の電子商取引大手JDドットコムは昨年12月、中環(セントラル)のビジネス地区にあるタワーの持分50%を4億5000万ドルで取得した。隣接する銅鑼湾(コーズウェイベイ)では、アリババがフィンテック関連会社のアント・グループとともに、マンダリン・オリエンタルの新旗艦オフィスタワーの13フロアを9億2500万ドルで購入した。
賃貸市場も活況を呈しており、ジェーン・ストリートが昨年6月、近く完成する中環のオフィスタワーの6フロアを賃借したのに続き、金融機関のIMCグループとノーザン・トラストも今年、新たなオフィスを借りた。
CBREの香港キャピタルマーケット部門責任者リーブス・ヤン氏は「中環の供給過剰は24─25年がピークだった」と指摘し、今後5年間の新規供給は過去5年間の半分程度にとどまる可能性が高いとの見方を示した。「新規物件の大半はすでに埋まり、今や高品質なオフィスを巡って借り手が競い合う貸し手優位の市場になっている」と述べた。
<回復にはばらつき>
もっとも、不動産業者やアナリストによると、回復には依然ばらつきがある。他の地域では大幅な供給過剰が続いており、需要の重しになっているという。
S&Pは2日に公表したリポートで、「香港の商業用不動産は極めて限定的な回復局面にある」と指摘。しかし、この回復は広範なものではなく、一部のグレードAオフィスタワーや財務基盤が強い優良な借り手の誘致に長けた一部のオーナーに集中していると述べた。
不動産業界関係者によれば、中環のグレードAオフィスの取引価格は25年後半以降およそ5%上昇した。JLLのデータによると、26年1─2月の賃料は3.5%上昇し、空室率は2月に9.9%へ低下し3カ月連続で改善した。一方、香港全体の空室率は13.4%、九龍東地区は19.5%だった。
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