- 2020/09/03 掲載
午後3時のドルは106円前半で1週間ぶり高値、ユーロは続落
ドルは午前の取引で値幅が10銭程度とこう着状態だったが、午後に入って、英フィナンシャル・タイムズ(FT)が電子版で、ECB高官らがユーロ高を懸念していると報じたことを手掛かりに、ユーロ安が進行した。
FTによれば、ECB高官らは、ユーロ高が継続すれば、ユーロ圏の輸出を抑制するほか、域内物価を押し下げ、さらなる金融刺激策を導入する必要に迫られることを案じているという。
対ユーロでのドル高の力を借りて、ドル/円もじり高となり、106.33円付近まで上値を伸ばし、8月28日以来1週間ぶり高値を更新した。
「はずみで106円半ばまで上昇してもおかしくないが、ユーロ/円での円高や、106円半ばから後半では安倍首相が辞意を表明した際に短期筋が保有していたドルロングの処分売りニーズがあると考えられ、ここからの大幅高は厳しそうだ」(外為アナリスト)との見方が出ていた。
ユーロ/円は午前の高値125.91円から125.40円まで下落した。
ユーロ/ドルも午前の高値1.1857ドルから1.1795ドルまで下落した。
ユーロ安の背景には「米連邦準備理事会(FRB)の新戦略が、米景気回復への期待感を高めている」(外国銀)ことや、前日発表された7月の独小売売上高指数が、実質ベースで前月比0.9%低下と予想外に低下し、第3・四半期のドイツ経済が消費主導で力強く回復するとの期待に水を差す格好となったことがあるという。[nL4N2FZ1QK]
安倍首相が辞意表明をした8月28日にドルは106.94円付近から105.20円まで大幅に下落した。当日のドル安/円高は急だったため、海外短期筋はコストが106円後半のドルロングを今も保有しているとみられ、ドルが同水準に近付くとロングの巻き戻しが出やすいと予想される。
また、明日の米雇用統計を前に、米雇用市場を巡る不透明感が高まり、市場はドル買いに慎重だ。
企業向け給与計算サービスのオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)とムーディーズ・アナリティクスが2日に発表した8月の全米雇用報告は、民間部門雇用者数の伸びが42万8000人と、予想の95万人を大きく下回り、労働市場の回復が失速しつつあることが裏付けられた。[nL4N2FZ39Q]
ドル/円
午後3時現在 106.28/30 1.1800/04 125.43/47
午前9時現在 106.20/22 1.1844/48 125.80/84
NY午後5時 106.18/19 1.1853/57 125.87/91
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