- 2020/12/17 掲載
EU、不良債権処理で促進策公表 コロナ危機後の急増に備え
EUの銀行の不良債権は、住宅ローン返済猶予や企業向け救済措置の終了に伴い来年増加が見込まれる。6月末時点のEUの銀行の不良債権比率は2.8%で、2019年第4・四半期から0.2%ポイント上昇した。
欧州中央銀行(ECB)銀行監督委員会のエンリア監督委員長は、1兆4000億ユーロ(1兆7000億ドル)を超える不良債権の「大きな波」が押し寄せる可能性があると警告している。
欧州委員会のマクギネス委員(金融サービス担当)は記者団に「対応しなければ信用収縮を引き起こし、企業の破綻が一段と増え、雇用がさらに失われる」と危機感を示した。
欧州委は2017年の措置を踏まえ、不良債権のためのより効率的な市場を提案。透明性を高めるための一元的なデータベースに支えられた金融機関の不良債権を買い取る「バットバンク」のネットワークを構築し、不良債権の買い手を見つけることを後押しする。
ローン売却で透明性を高めるため、金融機関は不良債権の詳細をEU全域で比較可能にするためのテンプレート使用が義務付けられる可能性がある。
一方、銀行ロビー団体の欧州金融市場協会(AFME)は、「中途半端な」案であり、新型コロナ危機後に予想される不良債権の増加に十分対応できないと指摘した。
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