- 2025/05/02 掲載
豪小売売上高、第1四半期横ばいに失速 5月利下げ後押し
統計局が2日発表した3月の小売売上高は前月比0.3%増加。借り入れコストの低下やインフレ鈍化が消費を下支えし、2月(0.2%増)からやや加速したが、市場予想(0.4%増)は下回った。
第1・四半期の小売売上高は1057億豪ドル(676億7000万米ドル)と、季節調整済みの前期比横ばい。昨年第3、第4・四半期はプラスだったが失速し、予想の0.3%増を下回った。
統計局は、クイーンズランド州に上陸したサイクロン「アルフレッド」が小売業界に深刻な打撃を与えたと指摘した。「食品業界は上陸前の買いだめで販売が伸びたが、その他の影響を相殺するほどではなかった」という。
3月の食品の売上高は0.7%増加した。ただ百貨店、カフェ・レストランはいずれも0.5%減少した。
豪中銀は4月に政策金利を据え置いたが、5月会合が金融政策を再点検する機会になるとの認識を示していた。弱い小売り統計は、インフレ鈍化、減税、2月の利下げによって個人消費がより強く伸びるとの中銀の懸念を緩和するとみられる。スワップ市場は5月20日の理事会での0.25%ポイント利下げの可能性を100%織り込んでいる。
AMPのエコノミスト、マイ・ブイ氏は「個人消費の回復の鈍さが鮮明になった。裁量的支出は総じて弱く、昨年後半に回復した消費は抑制的になった」と述べ、豪中銀が5月に利下げを再開するとの観測が高まっていると指摘した。
オックスフォード・エコノミクス・オーストラリアのマクロ経済予測責任者ショーン・ラングケイク氏は、「関税措置の発表を受けた不確実性の高まり、(消費者)信頼感の落ち込みで今後数カ月、支出が控えられるだろう」と述べた。ただ国内の雇用情勢がなお堅調で家計を取り巻く状況は良好とも指摘し「利下げや(豪総選挙の)選挙公約を通じた政府の支援拡大が消費支出の一定の勢いを支える」と予想した。
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