- 2021/01/04 掲載
人民元指数のドル比率低下、元相場押し上げる可能性=アナリスト
中国人民銀行(中央銀行)傘下の外為市場運営機関、中国外国為替取引システム(CFETS)は昨年12月31日、主要通貨に対する貿易加重ベースでの人民元の価値を示すCFETS人民元指数の構成比率を2021年に調整すると発表。2021年1月1日からCFETS人民元指数のドル比率を21.59%から18.79%に引き下げる一方、ユーロの比率を17.40%から18.15%に上げる、という。
比率の変更は、人民銀行が毎営業日の取引開始前に発表する人民元の対ドル基準値にも影響する。基準値は、前営業日の人民元の動きと、通貨バスケットの変動に基づいて設定されるからだ。
華創証券のチーフアナリスト、Zhang Yu氏は「ドル比率の引き下げ後は、ドル指数の動きの人民元基準値への影響が、大きくなるだろう」と指摘。人民元のボラティリティーが高まるとの見方を示した。
スコシアバンクの外為ストラテジスト、Gao Qi氏は「中国人民銀行がCFETS人民元指数を横ばいに維持した場合、ドルの幅広い下落は、人民元相場の上昇加速につながる。その逆もしかりだ」と述べた。
CIBリサーチのチーフ外為アナリスト、Guo Jiayi氏は、調整は長期的には、人民元の実質実効レートの押し上げにつながると話す。比率の変更は人民元の全般的なトレンドには影響しないが、ドル比率の引き下げは「脱ドル化」継続のサインなのかもしれないと指摘した。
一方、ユーロの比率が引き上げられたことについては、欧州連合(EU)と中国が昨年末、相互の企業の進出ルールを定める投資協定の締結で合意したことが影響している、との見方もある。OCBCバンクの大中華圏調査責任者、Tommy Xie氏は「人民元指数におけるユーロの比率が2021年から引き上げられることは、人民元指数が新しい比率の下、旧比率の時よりも若干上昇することを示唆している」と述べた。
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