- 2021/01/20 掲載
ANA赤字3000億円強=コロナ禍で過去最悪―20年4~12月期
ANAホールディングス(HD)が2020年4~12月期連結決算で、3000億円強の経常損益の赤字(前年同期は1225億円の黒字)を計上する方向で調整に入ったことが19日、分かった。新型コロナウイルス禍で国際線旅客需要が落ち込み、4~12月期として過去最悪の赤字になる。足元の感染再拡大で国内線旅客も減少しており、今後も厳しい経営環境が続きそうだ。
同社は29日に20年4~12月期決算を発表する。出入国制限が続く中、10~12月期の国際線旅客は前年同期比1割未満の水準で推移。国内線旅客は「Go
To
トラベル」事業効果で11月に5割程度まで回復したが、年末は感染拡大に伴う同事業停止で4割程度にまで減少した。
航空機維持費や人件費などが収益を圧迫する構造は変わらず、業績回復の見通しが立たない状況だ。
ANAHDが昨年10月に公表した21年3月期連結業績予想は、経常損益が5000億円の赤字、純損益は5100億円の赤字。今月の緊急事態宣言の再発令で21年1~3月期の旅客需要は大幅に縮小する見込みだ。ただ、貨物事業で高額の電子機器やスマートフォンなどの運送が想定を上回っていることから、現時点で通期予想の修正には慎重との見方がある。
同社は21年度末までに計4000億円のコストを削減する計画。社員の外部企業への一時出向や傘下の全日本空輸社員の平均年収3割削減、保有機数の削減など構造改革を進め、損失の抑制を目指す。
【時事通信社】
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