- 2021/01/22 掲載
ドル3日続落、好調な指標や刺激策期待で=NY市場
終盤のニューヨーク外為市場ではドルが3日続落。予想を上回る米経済指標や大規模な景気刺激策を巡る楽観的な見方で米経済の回復期待が高まり、高利回り通貨を求める動きが強まった。
一方、ユーロは上昇。欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は、新型コロナウイルスの感染再拡大や制限措置の長期化が域内経済のリスクになる恐れがあると警告した。
ECBは21日の定例理事会で大規模な量的緩和の維持を決定。また、経済下支えに向け低金利の継続を再確認した。
ただ、市場参加者は世界経済見通しの改善やバイデン米大統領による約2兆ドルの刺激策に注目していることから、ラガルド総裁の発言に外為市場はほとんど反応しなかった。
この日発表された米新規失業保険申請、12月の米住宅着工件数、1月のフィラデルフィア連銀業況指数はそれぞれ予想を上回り、経済が徐々にけん引力を得ていることが示された。
ブランディワイン・グローバル・インベストメント・マネジメントのグローバル債券ポートフォリオ・マネージャー、アヌジート・サリーン氏は、資産市場では全体的に成長への楽観論は大きいとし、「世界成長が回復し、貿易収支が悪化し、米連邦準備理事会(FRB)が緩和政策を継続するため、ドルは下落するとみている」と述べた。
終盤の取引でドル指数は0.3%安の90.103。週初には約1カ月ぶり高値の90.956を付けていた。
ユーロは対ドルで0.5%高の1.2163ドル。対円では125.92円。
TDセキュリティーズの外為戦略グローバルヘッド、マーク・マコーミック氏は、ユーロ圏のワクチン接種が米国に比べて遅れていることから、対ドルのユーロ安シフトが起きていると指摘した。
ドルはオーストラリアドル、カナダドル、ニュージーランドドルといった資源国通貨に対しても下落した。
英ポンドは対ドルで2年半ぶり高値を更新。新型コロナワクチンの接種ペース加速で景気回復が速まるとの期待が高まった。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは9.1%安の3万2247ドル。市場では米国の規制強化が懸念されているという。
ドル/円 NY終値 103.48/103.53
始値 103.40
高値 103.65
安値 103.33
ユーロ/ドル NY終値 1.2162/1.2166
始値 1.2141
高値 1.2173
安値 1.2137
(表はリフィニティブデータに基づいています)
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