- 2021/03/12 掲載
東芝、「シミュレーテッド分岐マシン」の速度と規模を飛躍的に向上させる技術を開発
本技術の成果は、2021年3月1日付(英国ロンドン時間)の英国オンライン科学雑誌「Nature Electronics」に掲載されました。
■開発の背景
金融取引の最適化、産業用ロボットの動作の最適化、移動経路や送電経路の最適化など、社会や産業における課題の多くは、膨大な選択肢から最適なものを選び出す組合せ最適化に帰着します。組合せ最適化は、問題の規模が大きくなるにつれて組合せパターンの数が指数関数的に増大するため、既存の計算機で高速に解くことは困難です。このため、組合せ最適化の専用計算機の開発が国内外で活発に行われています。当社は、独自の量子コンピュータ理論から生まれ、全く新しい原理で組合せ最適化問題を解くシミュレーテッド分岐アルゴリズム(SBアルゴリズム)を発表しています。SBアルゴリズムは計算並列度が高いことが特長で、そのアルゴリズムを専用に処理する超並列処理回路として実装した場合に特に優れた高速性・低遅延性を発揮します。この専用回路を実装したシミュレーテッド分岐マシン™は、金融システムや産業用ロボット、動画処理など高速なリアルタイム応答が求められる用途において活躍が期待されますが、これまで取り扱い可能な組合せ最適化問題のサイズが計算チップのメモリ容量に制限されてしまうことが課題でした。
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