- 2021/03/18 掲載
午後3時のドルは109円挟みの乱高下、日銀報道で一時急落
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 108.85/87 1.1963/67 130.24/28
午前9時現在 108.89/91 1.1980/84 130.47/51
NY午後5時 108.83/85 1.1978/80 130.36/40
午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点とほぼ同水準の108円後半。米連邦公開市場委員会(FOMC)で景気見通し期間中(2021―2023年)に大半のメンバーが利上げはないとの見方を示していることが確認され、アジア株が上昇するなか、午前はリスク選好の円売りが広がった。正午過ぎに伝わった日銀金融政策に関連する報道を受けてドル/円はいったん急落したが、米長期金利の急上昇に助けられてやや持ち直すなど、一日中神経質な値動きが続いた。
FOMCや米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長のハト派的な記者会見の余韻が漂う午前の取引でドルは108.70円まで下落したが、その後はクロス円での円売りに支えらえれ109.13円まで反発した。
「このところ、ドルが下がったところでは押し目買いが入りやすい傾向があり、きょうもそうした買いで下値は固められた」(外為アナリスト)という。
さらに、午前中は株高を受けてクロス円でリスク選好の円売りが目立った。こうしたクロス円での円安がドル/円を底上げする場面も見られた。
ユーロは130.66円まで上昇し2018年10月以来の高値、豪ドルは85.41円まで上昇し2018年2月以来の高値を付けた。
正午過ぎに日経新聞が、日銀が今回の金融政策決定会合で長期金利の変動許容幅を現在のプラスマイナス0.2%程度から、同0.25%程度に拡大する方向だと報じたことを受け、外為市場では日米金利差縮小が想起され、ドルは109円付近から一気に108.62円まで急落した。
しかし、その後まもなく米10年国債利回りが1.6568%付近から1.6868%付近まで急伸したことで、ドル/円では買い戻しが広がり、ドルは109円ちょうどまでいったん持ち直した。
欧州時間が始まる夕刻にかけては「欧州勢がFOMCの結果を消化していないこともあり、まだもう一波乱あるかもしれない」(国内銀)という。
みずほ証券チーフ為替ストラテジストの⼭本雅⽂氏は「FOMC後にドルは下落したが、想定外のハト派化によるものではない。今後は米長期金利の上昇基調が再開し、ドルは110円台へ向けてじり高になる」と予想する。
市場では「米金融環境の緩和的状況は今しばらく続くことがわかった。初期反応は米短期金利の低下が顕著だったが、引き続き金利の動きを確認したい」(外銀)との声も聞かれた。
(為替マーケットチーム)
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