- 2021/04/23 掲載
米シェブロン、ミャンマー権益巡り米議員などにロビー活動=資料
世界の石油・ガス大手のうちシェブロンなどごく一部がミャンマーのエネルギー部門で大きな権益を握っている。同部門は2月のクーデターで全権を握り、デモを弾圧している国軍の主要な資金源となっている。
開示資料によると、シェブロンは米国内で1─3月期に217万ドルを投じてロビー活動を行った。議員や国務省、商務省、国家安全保障会議(NSC)の当局者とミャンマーなど複数国の問題について議論を交わしたという。
議論の詳細は不明。
シェブロンはミャンマーのクーデター以前も同国のエネルギー問題についてロビー活動を行っていた。
同社はミャンマーでヤダナ天然ガス田の権益28.3%、同国産のガスをタイに運ぶパイプラインの28.3%などを保有している。
シェブロンは国際的な透明性向上の枠組みである採取産業透明性イニシアチブ(EITI)経由でミャンマー政府への支払いを開示してきた。これによると、同社は2014─18年の期間に約5000万ドルを支払った。
人権団体はシェブロンや仏トタル、豪ウッドサイド・ペトロリアム などの石油大手にミャンマー事業から撤退するよう呼び掛けている。
同国の人権状況を担当する国連のトム・アンドリュース特別報告者は、国軍の資金源を断つため、ミャンマー石油ガス公社(MOGE)に制裁を科すよう呼び掛けてきた。MOGEはヤダナ天然ガス田などで外資系企業の現地パートナーとなっている。実際に制裁が発動されればシェブロンなどの企業は権益を手放すよう強いられる可能性がある。
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