• 2021/05/28 掲載

コロナ後の金融・財政:基礎的収支の黒字化、目標「再設定を」=河合代表理事

ロイター

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[東京 28日 ロイター] - 環日本海経済研究所の河合正弘代表理事はロイターとのインタビューで、新型コロナウイルス対応に伴う財政支出がある中で、基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)を2025年度に黒字化させる政府目標は困難との見方を示した。達成時期を3─5年ほど先送りする形で再設定するのが現実的と語った。

PBは、政策経費を税収でどれだけ賄えているかの指標で、赤字が大きいほど借金に依存している姿となる。内閣府の試算では、国と地方のPBは20年度に69.4兆円の赤字となり、実質2%成長を実現しても黒字になるのは29年度と想定。1%成長にとどまれば30年度にかけ赤字解消は見込めない。

元財務官僚の河合氏は政府目標について「客観的に考えて難しいと思う」と指摘。「より現実的な目標はあとプラス3年とか5年だろう」と述べ、20年度後半にも黒字に到達する新たな目標に再設定すべきと訴えた。コロナ対応に伴う財政支出と同時に財政再建に取り組む姿勢そのものは維持し、「より現実的な黒字化時期を再設定して財政再建に進むと宣言することが必要」だと語った。

コロナ対応を巡っては、4―6月期の実質国内総生産(GDP)が1―3月期に続いて「マイナス成長になるかもしれないと言われている中で、経済対策が出てくる可能性は高い」との見方を示した。

追加対策そのものは「それほど大型になるとは思わないが、日本経済で必要とされている脱炭素化、デジタル化、医療体制全般の強化も必要なので、そうした未来の成長を見据えた投資も入ってくる可能性もある」と語った。

<追加緩和の可能性>

物価安定2%の目標が遠のく現状には「今の大規模金融緩和政策が行われていないとすると、もっとはるかに事態は悪くなっていただろう。その意味で、大規模金融緩和政策を続ける意味は非常に大きい」とした。

広くワクチン接種が進めば「経済活動の再開が大きく前進する」と述べ、7月以降の経済回復も見込まれる中で「追加緩和しないといけないような経済の落ち込みが起こる可能性は小さい」と語った。

河合氏は「コロナから脱却し、ワクチン接種も進み、輸出の伸びが続き、経済再開となれば、昨年来のデフレの動きからは抜け出せ、2%に向かって物価は上がってくるとみている」との見通しも示した。

インタビューは25日に実施しました。

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