- 2021/05/29 掲載
NY市場サマリー(28日)利回り低下で株式底堅く、ドル横ばい
終盤の取引で、ドル指数は前日比ほぼ変わらずの89.99。一時は0.4%上昇していた。
ユーロ/ドルは0.05%高の1.22ドル。週初は4カ月ぶり高値となる1.2266ドルを付けていた。
英ポンド/ドルも横ばいの1.4199ドル。
週明け31日は米国がメモリアルデー、英国がスプリング・バンクホリデーの祝日となる。
4月の米個人所得・消費統計は、連邦準備理事会(FRB)が物価の目安として注目する食品・エネルギーを除くコア個人消費支出(PCE)価格指数が前年同月比3.1%上昇し、1992年7月以来の大幅な伸びを記録した。市場予想は2.9%上昇だった。
市場では、同指標の結果がFRBの政策に影響を及ぼすとは想定されていないほか、市場の注目は6月15─16日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)にシフトしている。
ドル/円は一時110.20円に上昇した後、前日から横ばいの109.77円近辺で推移した。
FXストリート・ドット・コムのシニアアナリスト、ジョセフ・トレビサーニ氏は、欧州や英国に比べ日本の新型コロナウイルス禍からの回復の遅れを指摘し、主要通貨の中で円がドルに対し弱含む公算が大きいとの見方を示した。
中国人民元は0.15%高の1ドル=6.3616元。
ソシエテ・ジェネラルのFXストラテジスト、ケネス・ブロウクス氏は3日連続で6.40元を抜けていることについて、中国の政策が転換期に差し掛かっている可能性があり、世界経済にはプラス材料と指摘した。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは約6%安の3万6174ドル。イーサも8%安の約2510ドル。
<債券> 国債利回りが低下。連休を控え短縮取引となる中、インフレ高進を示す指標にはあまり反応せず、もっぱら月末の買いが相場を支えた。
31日はメモリアルデーのため休場となる。
4月の米個人所得・消費統計は、連邦準備理事会(FRB)が物価の目安として注目する食品・エネルギーを除くコア個人消費支出(PCE)価格指数が前年同月比3.1%上昇し、1992年7月以来の大幅な伸びを記録した。
アクション・エコノミクスの債券部マネジングディレクター、キム・ルパート氏は「市場でインフレが明らかに冷静に受け止められており、不安感は助長されていない。市場はインフレが一過性のものだという連邦準備理事会(FRB)の見解を信じている」と述べた。
10年債利回りは1.582%と、前日終盤の1.61%から低下。30年債利回りは2.264%と、2.29%から低下した。
5月の米シカゴ景気指数は75.2と前月の72.1から上昇し、1973年11月以来、47年半ぶりの高水準となった。統計を受け利回りは一時的に上昇する場面も見られた。
10年物TIPSと通常国債の利回り差で市場の期待インフレ率を示すブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は、10年物が2.436%と、前日の2.44%から低下した。
短期金融市場では、FRBのリバースレポ取引額がこの日4795億ドルと過去2番目の水準と付けた。前日は過去最高となる4853億ドルを記録した。
<株式> 小幅高で取引を終えた。インフレ指標が予想以上に上昇したものの、相場は底堅く推移し、ダウ工業株30種、S&P総合500種指数が週間で3週ぶりの値上がりとなった。
31日はメモリアルデーのため休場となる。
4月の米個人所得・消費統計は、連邦準備理事会(FRB)が物価の目安として注目する食品・エネルギーを除くコア個人消費支出(PCE)価格指数が前年同月比3.1%上昇し、1992年7月以来の大幅な伸びを記録した。市場予想は2.9%上昇だった。
グローバルトのシニアポートフォリオマネジャー、キース・ブキャナン氏は「コアPCE指数が高かったものの、実際にはコンセンサスをそれほど上回っていなかった。ベース効果が間違いなく働いており、統計をゆがめている」と指摘した。
週間では、ダウ平均が0.94%高、ナスダック総合指数が2.06%高、S&P500が1.17%高。月間では、ダウ平均が1.94%高、ナスダックが1.53%安、S&P500が0.55%高。
国債利回りの低下に伴い情報技術などグロース株が値上がりした。顧客管理ソフト大手のセールスフォース・ドットコムは5.43%高。第1・四半期決算は、利益が市場予想を上回った。新型コロナ禍を受けた在宅勤務の広がりでクラウドベースのソフトウエア需要が増加。同社は通年の収益見通しを引き上げた。
米取引所の合算出来高は103億2000万株。直近20営業日の平均は105億2000万株。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.63対1の比率で上回った。ナスダックでは1.12対1で値上がり銘柄数が多かった。
<金先物> ドル売り戻しの動きを眺めて、買いが優勢となり、反発した。中心限月8月物の清算値(終値に相当)は前日比6.80ドル(0.36%)高の1オンス=1905.30ドル。中心限月ベースでは4週続伸となった。
米商務省が朝方発表した4月の米個人消費支出(PCE)物価指数を受け、金塊は売り買いが交錯したが、インフレ上昇は一時的との見方などから米長期金利が低下すると、それまでのドル買いが反転。ドル安の動きを受けて金が買われ、1900ドル台を再び回復した。
バイデン米大統領はこの日、就任後初めての予算教書を発表。大規模なインフラ投資などで景気回復が加速すれば、インフレ懸念が強まり、金塊相場の上昇要因になるとの見方も相場を支えた。
<米原油先物> 3連休を前に利食い売りが台頭し、6営業日ぶりに反落した。米国産標準油種WTIの中心限月7月物の清算値(終値に相当)は、前日比0.53ドル(0.79%)安の1バレル=66.32ドル。ただ、週間では4.31%上昇した。8月物は0.50ドル安の66.10ドルだった。
欧米を中心に新型コロナウイルスワクチンの普及が進む中、ロイターによると、アナリストらは7─9月期の世界の石油需要が日量1億バレルに迫ると試算。メモリアルデー(戦没者追悼の日)に伴う3連休が始まる米国では、経済正常化が進展し、ガソリン価格が7年ぶりの高値に達しているという。
この日は海外株高などを眺め、相場は未明からジリ高で推移。朝方には一時67.52ドルの高値を付けた。ただ、買い一巡後は、前日に2年7カ月ぶりの高値を回復していたこともあり、利益確定の動きが台頭した。
ドル/円 NY終値 109.81/109.84
始値 109.92
高値 110.19
安値 109.75
ユーロ/ドル NY終値 1.2189/1.2193
始値 1.2176
高値 1.2204
安値 1.2133
米東部時間
30年債(指標銘柄) 14時30分 102*13.50 2.2632%
前営業日終値 101*27.00 2.2900%
10年債(指標銘柄) 14時30分 100*13.00 1.5807%
前営業日終値 100*04.50 1.6100%
5年債(指標銘柄) 14時30分 99*26.00 0.7883%
前営業日終値 99*22.00 0.8140%
2年債(指標銘柄) 14時30分 99*31.00 0.1406%
前営業日終値 99*30.63 0.1470%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 34529.45 +64.81 +0.19
前営業日終値 34464.64
ナスダック総合 13748.74 +12.46 +0.09
前営業日終値 13736.28
S&P総合500種 4204.11 +3.23 +0.08
前営業日終値 4200.88
COMEX金 8月限 1905.3 +6.8
前営業日終値 1898.5
COMEX銀 7月限 2801.4 +7.4
前営業日終値 2794.0
北海ブレント 7月限 69.63 +0.17
前営業日終値 69.46
米WTI先物 7月限 66.32 ‐0.53
前営業日終値 66.85
CRB商品指数 205.6988 ‐0.0780
前営業日終値 205.7768
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