- 2021/07/01 掲載
大企業製造業、4期連続改善=景況感、2年半ぶり高水準―日銀短観
日銀が1日発表した6月の全国企業短期経済観測調査(短観)によると、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は大企業製造業でプラス14となり、前回3月調査のプラス5から9ポイント上昇した。景況感の改善は4四半期連続で、2018年12月以来、2年半ぶりの高水準となった。大企業非製造業はプラス1と4期連続の改善で、20年3月以来、5期(1年3カ月)ぶりにプラス圏に浮上した。
大企業製造業は、海外経済の回復や国内設備投資の持ち直しを受け、輸出や生産が増加し、大半の業種で改善。特に「幅広い業種のIT関連(分野)で改善が見られた」(日銀)といい、汎用(はんよう)機械が22ポイント上昇のプラス34、生産用機械が18ポイント上昇のプラス26、電気機械が10ポイント上昇のプラス28と大きく改善した。一方、自動車は半導体不足による減産の影響で7ポイント低下のプラス3と4期ぶりに悪化した。
先行きはプラス13と小幅悪化の見通し。自動車は半導体の影響緩和期待から改善を見込むが、原材料価格の上昇が収益に与える影響への懸念から、木材・木製品、化学、食料品などが悪化を予想した。
大企業非製造業は、製造業と比べ改善は小幅。製造業の生産増加を受けて卸売りや運輸・郵便などが改善。一方、新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言再発令の影響を受け、小売りは17ポイント低下のプラス2、宿泊・飲食サービスは前回より改善したものの、マイナス74と引き続き低水準だった。
非製造業の先行きはプラス3と小幅改善を見込む。
中小企業は製造業が6ポイント上昇のマイナス7、非製造業が2ポイント上昇のマイナス9と、いずれも4期連続改善だった。
21年度の設備投資計画は大企業全産業で前年度比9.6%増で、3月調査の3.0%増から大幅な上方修正となった。
DIは業況が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」を引いて算出する。
【時事通信社】 〔写真説明〕日銀本店
PR
PR
PR