• 2021/09/28 掲載

在任期間、歴代単独トップに=黒田日銀総裁、3116日―長期化「異次元緩和」限界も

時事通信社

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黒田東彦日銀総裁の在任期間が29日、3116日に達し、戦後のインフレ進行を抑え込み「法王」と呼ばれた一万田尚登氏(1946年6月~54年12月)を超え歴代単独トップとなる。この間、黒田総裁は安倍前政権が掲げた経済政策アベノミクスのけん引役として金融緩和を進めてきたが、目標の2%物価上昇はなお未達。長期化する「異次元緩和」の限界も指摘される中、残り1年半のかじ取りが問われる。

黒田氏は2013年3月、第2次安倍政権下で総裁に就任。直後の4月、2%の物価目標実現に向け、資金供給量と国債保有額を2年で倍増させる「次元の違う金融緩和」(黒田総裁)を断行した。大胆な緩和策は市場から「黒田バズーカ」と呼ばれ、円安や株高を演出した。

ただ、当初2年で達成すると表明した物価目標は就任から約8年半経過しても未達が続く。16年にはマイナス金利政策、長期金利操作と、「異形」とも言える緩和策を相次ぎ導入したが、効果は限定的。むしろ長引く低金利で、金融機関の収益環境悪化など副作用も目立っている。

黒田総裁は今月27日の記者会見で、「これまで行ってきたさまざまな緩和措置は正しかった」と強調。残り任期に関しても「物価目標実現に向けて最大限の努力をする」と表明した。しかし、日銀の最新の経済予測では23年度の物価上昇率見通しは前年度比1.0%にとどまる。23年4月までの総裁任期中の目標実現は絶望的だ。

黒田総裁が任期満了を迎えれば、在任期間は10年を超える異例の長さとなる。大規模緩和の限界論もくすぶる中、麻生太郎財務相は28日の閣議後会見で「金融と財政、両方でいろいろ手を組んでやっていかねばならない」と改めて政府・日銀の連携に触れた。

もっとも、29日投開票の自民党総裁選の行方次第では、これまでのアベノミクス路線が修正される可能性もある。2%の物価目標を盛り込んだ政府・日銀の共同声明の見直しの有無を含め、黒田総裁の残り任期の政策運営に影響を及ぼすことも考えられる。

【時事通信社】 〔写真説明〕就任後初の金融政策決定会合後、記者会見で質問に答える日銀の黒田東彦総裁=2013年4月4日、日銀本店

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