- 2022/01/04 掲載
NY市場サマリー(3日)米国債利回り急上昇、アップル時価総額3兆ドル突破
<為替> 米連邦準備理事会(FRB)が年央までに利上げを開始するとの観測から米国債利回りが上昇したことを背景に、ドルが主要通貨に対して上昇した。
新型コロナウイルスのオミクロン変異株の拡散で世界的な渡航などが制約を受けているものの、大規模なロックダウン(都市封鎖)の導入は回避できるとの楽観的な見方が市場ではなお支配的になっている。
主要6通貨に対するドル指数は0.552%高。ユーロは0.64%安の1.1295ドル。円は対ドルで0.17%安の115.27円。英ポンドは対ドルで0.35%安の1.3482ドル。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは1.61%安の4万6587.63ドル。
NY外為市場:[USD/J]
<債券> 薄商いの中で利回りが急上昇した。新型コロナウイルスの感染が拡大しているものの、投資家はFRBによる利上げが予想より早まる可能性に備えている。
また市場関係者によると、この日は社債の発行が相次ぎ、投資家がヘッジ目的で国債を売ったことも価格圧迫要因になった。英国や日本、中国、オーストラリアなどが祝日で休場のため流動性が低下していることも影響した。
2年債利回りは2020年3月以来の高水準に急上昇した。30年債、20年債、10年債、5年債の利回りはそれぞれ6週間ぶりの高水準に上昇した。
午後の取引で10年債利回りは一時1.635%に上昇。終盤では13ベーシスポイント(bp)上昇の1.6315%となった。30年債利回りは2.025%を付けた後、13bp上昇の2.0176%となった。
アクション・エコノミクスは3日のブログで、10年債利回りが50日移動平均線1.521%、30年債利回りが同1.908%をブレークしたことが金利上昇要因になったと指摘した。
2年債利回りは一時0.804%に上昇したが、終盤では5bp上昇の0.7857%。5年債利回りは一時1.37%に上昇した。終盤は11bp上昇の1.3686%となっている。
年明け初日となったこの日は、金融セクターを中心に社債の発行が相次いだ。アクション・エコノミクスによると、カナダのバンク・オブ・ノバスコシア、キャタピラー・ファイナンシャル、米メットライフなどがさまざまな年限で発行した。
米金融・債券市場:[US/BJ]
<株式> S&P総合500種とダウ工業株30種の終値が過去最高値を記録した。電気自動車(EV)大手テスラや銀行株の上げが相場を支援した。
アップルは一時、時価総額が3兆ドルを突破。上場企業として時価総額が3兆ドルを超えるのは世界初。ただ、終値はその水準を若干下回り、2.5%高の182.01ドルで引けた。一時182.88ドルまで上昇した。
テスラは、出荷台数が堅調な数字となったことから買いが優勢となり、13.5%高となった。同社が2日に発表した2021年第4・四半期の出荷台数はアナリスト予想を上回った。世界的に半導体が不足する中、中国での生産を増やした。
米食品医薬品局(FDA)は3日、米ファイザーと独ビオンテックが共同開発した新型コロナウイルスワクチンについて、12─15歳への追加接種(ブースター接種)を承認した。また2回目の接種から追加接種するまでの期間を従来の6カ月から5カ月へと短縮した。
エネルギー株や金融株も上昇した。年内数回の米利上げ観測を背景に米国債利回りが上昇し、銀行株も買われた。
ウェルズ・ファーゴは、バークレイズが投資判断を「オーバーウエート」に引き上げたことを受けて上昇した。
全ての米主要株価指数は2021年に月間、四半期、通年ベースで上昇した。
21年の上昇率は、S&P総合500種が27%、ダウ工業株30種が18.7%、ナスダック総合が21.4%だった。
米国株式市場:[.NJP]
<金先物> 薄商いの中、リスク選好ムードに押されて3営業日ぶりに反落した。中心限月2月物の清算値(終値に相当)は前営業日比28.50ドル(1.56%)安の1オンス=1800.10ドル。
オミクロン変異株の拡散により、大みそかには欧州などで1日当たりの新規感染者数が過去最多を更新。しかし、重症化リスクは低く、経済への影響は軽微にとどまるとの見方から、年明けのこの日は株式などリスク資産が物色され、安全資産とされる金塊は売りに押された。
一方、コロナ禍でインフレ高進が進み、FRBが年央までに利上げに踏み切るとの観測から、この日は米長期金利が上昇。外国為替市場ではドル買い・ユーロ売りが優勢となり、金利を生まず、ドル建てで取引される金塊相場を圧迫した。年明けで市場参加者が少なかったため、値は振れやすく、相場は1800ドルの節目を割り込む場面もあった。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> 有力産油国による生産方針決定の行方に注目が集まる中、反発した。米国産標準油種WTIの中心限月2月物は、前営業日清算値(終値に相当)比0.87ドル(1.16%)高の1バレル=76.08ドル。3月物は0.97ドル高の75.85ドル。
石油輸出国機構(OPEC)にロシアなどの非加盟産油国を加えた「OPECプラス」が翌4日に開く会合で、現行の日量40万バレルの増産目標を引き上げる可能性があるとの懸念が浮上。朝方はいったん売りが優勢となり、一時74.27ドルの安値を付けた。しかし、需給引き締まり観測が根強く、その後は買い戻しの動きが台頭。オミクロン株の感染は拡大しているものの、経済的な影響は一時的で、今年はエネルギー需要が一段と回復するとの楽観的な見方に支えられ、相場はプラス圏に切り返した。
リビアの石油生産が、2油田を結ぶ主要パイプラインのメンテナンスのため、1週間にわたって日量20万バレル減少するとの発表も買い材料。
NYMEXエネルギー:[CR/USJ]
ドル/円 NY終値 115.32/115.34
始値 115.06
高値 115.36
安値 114.97
ユーロ/ドル NY終値 1.1294/1.1298
始値 1.1354
高値 1.1364
安値 1.1281
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 96*16.50 2.0312%
前営業日終値 99*22.00 1.8890%
10年債(指標銘柄) 17時05分 97*20.00 1.6367%
前営業日終値 98*28.00 1.4980%
5年債(指標銘柄) 17時05分 99*15.00 1.3605%
前営業日終値 99*30.75 1.2580%
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*30.38 0.7758%
前営業日終値 100*01.13 0.7320%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 36585.06 +246.76 +0.68
前営業日終値 36338.30
ナスダック総合 15832.80 +187.83 +1.20
前営業日終値 15644.97
S&P総合500種 4796.56 +30.38 +0.64
前営業日終値 4766.18
COMEX金 2月限 1800.1 ‐28.5
前営業日終値 1828.6
COMEX銀 3月限 2281.0 ‐54.2
前営業日終値 2335.2
北海ブレント 3月限 78.98 +1.20
前営業日終値 77.78
米WTI先物 2月限 76.08 +0.87
前営業日終値 75.21
CRB商品指数 233.0039 +233.0039
前営業日終値 0.0000
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