- 2022/01/25 掲載
コロナ禍、分配どこまで=22年春闘スタート
2022年春闘の幕開けとなる「経団連労使フォーラム」が25日、開かれた。新型コロナウイルスの感染拡大後2年目となる今春闘で、経団連は業績格差から一律の賃上げが難しいとの立場。一方、連合はベースアップ(ベア)2%程度と定期昇給相当分を含む4%程度の賃上げを主張する。岸田文雄政権が「成長と分配の好循環」を目指す中、賃上げによる分配がどこまで行き渡るかが焦点だ。
経団連の十倉雅和会長は冒頭のあいさつで、経営資源を成長分野に重点投入しながら「働き手との価値共創で生み出された成果を適切に分配すべく、賃金引き上げと総合的な処遇改善に取り組むことが重要だ」と述べた。連合の芳野友子会長は同日午後講演する。
経団連は、今春闘の経営側指針である「経営労働政策特別委員会報告(経労委報告)」で、好業績企業はベアを含め「新しい資本主義の起動にふさわしい賃金引き上げが望まれる」と明記。ただ、業績が回復した輸出製造業と、回復の遅れる宿泊・飲食業などとの格差が広がっている実情も踏まえ、一律の目標設定は見送った。手当や一時金も含め、企業経営の実態に応じて対応する構えだ。
これに対し、連合は企業が成長しても分配は不十分で、賃金が低迷してきたと批判。「生活設計に直結する月例賃金の引き上げこそ重要」と主張し、全体の底上げと非正規雇用を含めた働く女性の格差是正を求める。
経団連と連合のトップは26日に会談。電機や自動車などの労働組合は今後、要求書を経営側に提出し、3月16日の集中回答日に向けて交渉が本格化する。
【時事通信社】 〔写真説明〕経団連労使フォーラムであいさつする経団連の十倉雅和会長=25日午前、東京・大手町
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