賃上げは実情踏まえ個々に対応、労働移動は不可避＝経団連会長

［東京　２５日　ロイター］ - 日本経済団体連合会（経団連）の十倉雅和会長（住友化学会長）は２５日の講演で、今春の賃上げ交渉に関連し、コロナ禍で各社業績にばらつきが見られるとした上で「横並びや一律ではなく、自社の実情に適した対応を行うという（賃金決定の）大原則を堅持することの重要性が、昨年にも増して高まっている」と述べ、連合などが求めている一律の賃上げに否定的な見解を示した。

また、ＤＸ（デジタルトランスフォーメーション）や脱炭素社会への転換を目指すＧＸ（グリーントランスフォーメーション）への取り組みは「社会変容」だと位置付け、日本の産業構造を大きく転換させると発言。「成長産業への労働移動は避けて通れない」として、産学官連携によるリカレント教育の必要性などを重ねて強調した。