ＮＹ外為市場＝商品関連通貨が上昇、原油急騰受け

［ニューヨーク　２日　ロイター］ - ニューヨーク外為市場では、ロシアのウクライナに対する攻撃激化を受けた原油価格の急騰を反映し、コモディティー（商品）関連通貨が上昇した。

西側諸国が対ロシア制裁を強化する中、モスクワ市場の取引でロシアルーブルは対ドルで４．５％安の１０６．０２ルーブル。一時は１１０．０ルーブルと、過去最安値を更新した。その後、ロシア国外の取引でルーブルは対ドルで６．６１％高の１００．１０ルーブル。

この日の米国時間の原油先物は１バレル＝１１０ドルを突破。対ロ制裁などを受けて今後数カ月は供給不足が続くとの見方が広がっている。

こうした中、豪ドルは０．６６％、ニュージーランドドルは０．４％、カナダドルは０．８％、対米ドルで上昇した。

ＣＩＢＣキャピタル・マーケッツ（トロント）の北米外為戦略部門責任者、ビパン・ライ氏は「こうした状態が続くかは、原油価格の上昇が続くかどうか次第」とし、「ロシアとウクライナを巡る問題を巡る先行き不透明性が高まる中、この点が注目されている」と述べた。

主要６通貨に対するドル指数は一時２０２０年６月以来の高水準を付けたが、終盤の取引では横ばい。

ユーロは対ドルで一時１年９カ月ぶりの安値を付けた後、終盤の取引ではほぼ横ばい。

スコシアバンクのチーフ外為ストラテジスト、シャウン・オズボーン氏は「ロシアが攻撃の勢いを弱める兆しを見せない中、事態がエスカレートし続ければ、ユーロは向こう数日で１．１０ドルに向かう」と述べた。

リスク通貨に対する選好がやや回復したことで、安全通貨のスイスフランと円が圧迫され、ドルは対スイスフランで０．２％、対円で０．５％上昇した。

連邦準備理事会（ＦＲＢ）のパウエル議長はこの日に下院金融サービス委員会の公聴会行った証言で、１５─１６日開催の連邦公開市場委員会（ＦＯＭＣ）で「２５ベーシスポイント（ｂｐ）の利上げを提案し、支持する方向に傾いている」と表明。インフレが想定通り和らがなければ、ＦＲＢはその後の会合で「より積極的に対応する用意がある」と述べた。ただ、「ウクライナ戦争が経済に与える影響に関する一段の情報を把握しながら、慎重に進めていきたい」とも語った。

この日発表の米経済指標では、企業向け給与計算サービスのオートマチック・データ・プロセッシング（ＡＤＰ）とムーディーズ・アナリティクスの２月の全米雇用報告によると、民間部門雇用者数は４７万５０００人増と、市場予想（３８万８０００人増）を上回った。

カナダ銀行（ＢＯＣ、中央銀行）はこの日、政策金利である翌日物金利の誘導目標を２５ベーシスポイント（ｂｐ）引き上げ、０．５０％にすると発表。ロシアによるウクライナ侵攻を受け不確実性が高まる中でも、金利を引き上げる必要があるとの見解を示し、４月に追加利上げを実施する可能性を示唆した。これを受け、カナダドルは上げ幅を拡大した。

暗号資産（仮想通貨）のビットコインは０．３１％安。

ドル／円　ＮＹ終値 115.50/115.53

始値 115.24

高値 115.68

安値 115.25

ユーロ／ドル　ＮＹ終値 1.1121/1.1123

始値 1.1098

高値 1.1146

安値 1.1058