- 2022/03/26 掲載
NY市場サマリー(25日)ドル・株上昇、利回り3年ぶり高水準
<為替> ドル指数が3日続伸した。原油価格が上昇に転じたことで米連邦準備理事会(FRB)がインフレ抑制に向け一段と積極化するとの見方が強まった。
米国時間の原油先物は1%超上昇し、北海ブレント先物が1バレル=120ドルを突破した。サウジアラビアの石油関連施設に対するミサイル攻撃が影響した。
ドル指数は0.071%高。ユーロ/ドルは0.11%安の1.0984ドルとなった。
ドルは週間でも上昇する見込み。週間での上昇は過去7週間で6回目。安全通貨としてのドル買いが続いているほか、ウクライナでの紛争がFRBの利上げに対する期待を強めている。
OANDAのシニアアナリスト、エドワード・モヤ氏は「インフレが長期化し、その大部分が定着することは誰もが認めている。最終的に中銀の行動が複雑になるだろう」と指摘。米利上げの後に欧州の利上げが続く見込みで、欧米の金利差がドルを支援するとした。
米金融大手バンク・オブ・アメリカ(BofA)とシティは、インフレの高進や政策当局者によるタカ派発言を受け、米連邦準備理事会(FRB)が年内に0.5%ポイントの大幅な利上げを複数回行うとの見通しを示した。
全米リアルター協会(NAR)が25日に発表した2月の中古住宅販売仮契約指数は前月比4.1%低下の104.9となり、4カ月連続で下がった。また、米ミシガン大学が25日発表した3月の消費者信頼感指数(確報値)は59.4と速報値の59.7から小幅に下方修正され、2011年8月以来の低水準となった。
独IFO経済研究所が25日発表した3月の業況指数は90.8で、下方改定された前月の98.5から低下した。
円は対ドルで0.21%高の122.07円。一時122.43円と6年超ぶりの安値を付けた。ポンドは0.03%高の1.3187ドル
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは1.24%高の4万4448.50ドル。
NY外為市場:[USD/J]
<債券> 米連邦準備理事会(FRB)がインフレに対応するために積極的な金融引き締めを行うとの観測から、国債利回りが上昇し、10年債利回りは約3年ぶりの高水準を付けた。
10年債利回りは15.1ベーシスポイント(bp)上昇の2.492%。一時は2019年5月以来初めて2.50%を上回った。
2年債利回りは18.1bp上昇の2.305%と、19年5月以来の高水準を付けた。
FRBのパウエル議長は21日に行った講演で、インフレ抑制にFRBは「迅速に」行動する必要があるとし、必要に応じて通常より大きな幅での利上げを実施する可能性があると表明。5月の会合で50bpの利上げを決定する可能性を示唆した。
キー・プライベート・バンクの株式・債券調査部門マネージングディレクター、スティーブン・フート氏は、米国のインフレ率は近い将来に6%を超えるとし、「FRBが向こう数回の会合で50bpの利上げを実施したとしても後手に回る」と指摘。「FRBは後手に回っていると認識しているため、インフレ対応に向け、利上げとバランスシート縮小で積極的に動かざるを得ない」と述べた。
30年債利回りは8.3bp上昇の2.595%。
2年債と10年債の利回り格差は18.5bp。5年債と30年債の利回り格差は一時、逆転まで1.32bpのところに迫った。
米金融・債券市場:[US/BJ]
<株式> S&P総合500種とダウ工業株30種が続伸。米債利回りが約3年ぶりの水準に急伸する中、金融株が上昇した。一方、ハイテク株や大型グロース(成長)株が売られたことで、ナスダック総合は反落。しかし終盤にかけ盛り返し、下げ幅を縮小して取引を終えた。
週足では、ナスダックは2%、S&Pは1.8%、ダウは0.3%それぞれ上昇した。
25日の取引では、S&P金融の上昇が目立ち、1.3%高。一方、情報技術や一般消費財はマイナス圏で引けた。
米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が週初、インフレ抑制にFRBは「迅速に」行動する必要があるとし、必要に応じて通常より大きな幅での利上げを実施する可能性があると述べたことを受け、FRBの利上げの道筋が注目されている。
米金融大手バンク・オブ・アメリカ(BofA)とシティは、インフレの高進や政策当局者によるタカ派発言を受け、米連邦準備理事会(FRB)が年内に0.5%ポイントの大幅な利上げを複数回行うと予想。とりわけシティは、5月、6月、7月、9月に0.5%、10月と12月には0.25%の利上げが行われるという見通しを示した。
米債市場では指標の10年債利回りが一時、2019年5月以来初めて2.50%を上回った。
グローバル・インベストメンツのポートフォリオマネージャー、キース・ブチャナン氏は、株式相場はより高水準の金利環境の可能性を織り込んでいると指摘。グロース株など「リスクが高い要素への圧力が高まっている」と述べた。
ウクライナ情勢への警戒感から、ディフェンシブ銘柄とされる公益は最高値を更新。この日は約1.5%、週足では3.5%上昇した。
ロシア国防省は25日、ウクライナにおける「軍事作戦」の第一段階はほぼ完了したとし、ウクライナ東部ドンバス地域の完全「解放」に焦点を当てると表明した。ロシアがウクライナの激しい抵抗に直面する中、より限定された目標に切り替えている可能性を示唆した。
原油価格の上昇を追い風にエネルギーは約2.3%高。週足では7%超上昇した。
ジェフリーズの小・中型株ストラテジスト、スティーブ・デサンクティス氏は「マクロ要因が主導」しており、「企業のファンダメンタルズはさほど重要視されていない」と述べた。
米取引所の合算出来高は119億2000万株。直近20営業日の平均は142億8000万株。
ニューヨーク証券取引所では、値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.08対1の比率で上回った。ナスダックでは1.40対1で値下がり銘柄数が多かった。
米国株式市場:[.NJP]
<金先物> 米長期金利の上昇を眺めて売り優勢となり、3日ぶりに反落した。中心限月4月物の清算値(終値に相当)は前日比8.00ドル(0.41%)安の1オンス=1954.20ドル。一方、週間では24.90ドル(1.29%)上昇した。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> サウジアラビアの石油施設が攻撃を受けたとの報道を受け、需給逼迫懸念が強ま り、反発した。米国産標準油種WTIの中心限月5月物の清算値(終値に相当)は前日比 1.56ドル(1.39%)高の1バレル=113.90ドルとなった。6月物は、1. 63ドル高の111.06ドルだった。
NYMEXエネルギー:[CR/USJ]
ドル/円 NY終値 122.06/122.09
始値 121.71
高値 122.23
安値 121.61
ユーロ/ドル NY終値 1.0981/1.0985
始値 1.1014
高値 1.1024
安値 1.0981
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 92*23.00 2.6020%
前営業日終値 94*16.50 2.5120%
10年債(指標銘柄) 17時05分 94*21.00 2.4879%
前営業日終値 95*29.00 2.3410%
5年債(指標銘柄) 17時05分 96*27.00 2.5612%
前営業日終値 97*22.00 2.3740%
2年債(指標銘柄) 17時05分 98*17.00 2.2843%
前営業日終値 98*26.38 2.1240%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 34861.24 +153.30 +0.44
前営業日終値 34707.94
ナスダック総合 14169.30 -22.54 -0.16
前営業日終値 14191.84
S&P総合500種 4543.06 +22.90 +0.51
前営業日終値 4520.16
COMEX金 4月限 1954.2 ‐8.0
前営業日終値 1962.2
COMEX銀 5月限 2561.5 ‐30.5
前営業日終値 2592.0
北海ブレント 5月限 120.65 +1.62
前営業日終値 119.03
米WTI先物 5月限 113.90 +1.56
前営業日終値 112.34
CRB商品指数 307.3348 +2.4847
前営業日終値 304.8501
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