• 2022/10/20 掲載

新興国発の危機再燃も=ドル高・金利高・侵攻で―前NY連銀総裁

時事通信社

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【ワシントン時事】ウィリアム・ダドリー前ニューヨーク連邦準備銀行総裁は19日までに時事通信のインタビューに応じた。歴史的なインフレ退治のため米連邦準備制度理事会(FRB)が急ピッチで利上げを進める中、新興国はドル高と金利高、ロシアによるウクライナ侵攻という「三重苦」に見舞われていると強調。過去の米利上げ・ドル高局面と「同じ状況だ」と指摘し、新興国発の金融危機が再燃する可能性があると警告した。

ウクライナ侵攻による食料・エネルギー価格の高騰を受け、FRBだけでなく欧州など主要な中央銀行も利上げを続けている。ダドリー氏は「新興国経済への圧力が高まるのは間違いない。低所得国は特に困難だ」と述べ、ドル高に伴う債務の拡大や、金利の高い海外への資金流出に強い懸念を示した。

新興国の金融危機は1990年代に多発した。金融自由化を背景に海外から莫大(ばくだい)な資金が流れ込んだが、FRBが着手した利上げで風向きは一変。マネー逆流やドル高で新興国通貨が暴落した。新興国の債務残高は現在、100兆ドル(約1京4900兆円)に迫り、デフォルト(債務不履行)に陥るリスクが高まっている。

ただ、ダドリー氏は世界経済の減速に歯止めをかけるためにも、「FRBがインフレ抑制に向けて金利を引き上げ、ドル高が進むことはやむを得ない」と語った。FRBの政策金利引き上げは「今年の終わりから来年初めにかけてピークに達する」と予想。ドル高の進行は当面避けられないとの認識を示した。

ドル高を巡っては、日本政府・日銀が為替介入に踏み切るなど、先進国も影響を受けている。85年に日米欧がドル高是正で合意した「プラザ合意」の再現があるかについて、「現在のドルの水準はファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)からかけ離れていると思えない」とし、協調介入に否定的な見解を示した。

【時事通信社】 〔写真説明〕インタビューに応じるダドリー前ニューヨーク連邦準備銀行総裁=12日、ワシントン

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