- 2022/10/25 掲載
ユニリーバ取締役の物言う株主、CEO選定で候補と接触=消息筋
ユニリーバのアラン・ジョープ現CEOは2019年1月就任で、先月に来年末の退任意向を表明。同社は他の消費財企業と同様、最近は人件費や輸送費、材料費高騰に悩まされ、傘下400ブランドの製品値上げでコストを吸収しようとしているものの、利益率は低下傾向。特に株価は、欧州の他の生活必需品企業や一般消費財企業に比べても見劣りする傾向にある。
主力のアイスクリームブランド「ベン・アンド・ジェリー」のイスラエルでのライセンス販売差し止めを巡る訴訟沙汰や、英製薬大手グラクソ・スミスクライン(GSK)の大衆薬事業買収の失敗などもジョープ氏体制の足を引っ張ってきた。
消息筋の1人によると、ペルツ氏が面談した2人はユニリーバの日用品事業ライバル米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)の経営トップ経験者ではない。ペルツ氏はヘッジファンドのトライアン・パートナーズの共同創業者でCEO。かつてP&Gでも取締役として抜本的な事業再編を促し、複数の米大手食品企業でも取締役会に入った経験がある。
トライアンは今年5月、ユニリーバの戦略や株主価値向上のため同社経営陣や取締役会に働きかけると表明していた。消息筋の1人によると、ペルツ氏は今回と別に、ジョープ氏が退任表明する前にもフロリダ州で消費財企業CEO経験者と会っていた。ペルツ氏と同氏のチームは9月にも別の消費包装商品企業の元CEOと接触していたとされる。
ユニリーバは次期CEO選びでヘッドハンティング会社と契約しているが、消息筋によると内部昇格も検討。消息筋4人によると、複数の候補役員の中ではパーソナルケア部門のファビアン・ガルシア社長が筆頭候補という。ガルシア氏は2018年まで米化粧品レブロンのCEOを務め、ユニリーバでは北米部門を率いて売上高を伸ばした功績が認められている。
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