記事 金融規制・レギュレーション リスク性金融商品の販売・管理の実態は? 3方向から読み解く金融庁「地銀100行調査」 リスク性金融商品の販売・管理の実態は? 3方向から読み解く金融庁「地銀100行調査」 2023/05/12 金融庁は4月、「地域銀行100行におけるリスク性金融商品の販売・管理態勢に関するアンケート調査結果」を公表しました。表向き、調査の主眼は金融派生商品を組み合わせた特殊な債権である仕組債の販売実態に置かれていますが、資料にちりばめられた意味深な記載ぶりからは、仕組債販売歴の有無に関わらず幅広い業態に対して当局が発信するメッセージを読み取ることができます。取材を基に、今回の調査資料を“3方向”から読み解いていきます。
記事 証券 金融庁が「読まない目論見書」にメス、例年と一味違う「プログレスレポート」の中身とは? 金融庁が「読まない目論見書」にメス、例年と一味違う「プログレスレポート」の中身とは? 2023/04/26 1 金融庁は4月21日に公表した「資産運用業高度化プログレスレポート2023」で、投資信託の販売、管理におけるシステム面での効率化を業界側に求めました。投信を提案する際に金融機関が顧客に提供する目論見書については、現在は紙ベースやPDF形式が主流ですが、これを投資家と事業者の双方にとって使いやすいHTML形式へと移行するよう促しています。また、投信の管理などのシステムを取り扱うベンダーについて、大手事業者の寡占化が進んでいる現状を指摘。システム標準化などを通じ、健全な競争を促進すべきとの考えを打ち出しています。
記事 金融ガバナンス・内部監査 金融機関「対応必須」2つのセキュリティ課題とは? 日銀・金融庁謹製「自己診断レポート」を読み解く 金融機関「対応必須」2つのセキュリティ課題とは? 日銀・金融庁謹製「自己診断レポート」を読み解く 2023/04/25 1 4月18日、日本銀行と金融庁は、連名で「地域金融機関におけるサイバーセキュリティセルフアセスメントの集計結果(2022年度)」と題したレポートを公表した。昨年2022年に初めて実施されたサイバーセキュリティセルフアセスメント(Cyber Security Self-Assessment、CSSA)、つまり「自己診断」は預金取扱金融機関を対象としたものだが、来事務年度以降、証券業や保険業への展開も予想されている。本稿では、本レポートからみた日本の金融当局が認識する、金融機関のサイバーセキュリティ対策における現状の課題を解説してみよう。
記事 証券 “地味”な変更でも実務に影響大?「内部統制報告制度」改定のポイントを解説 “地味”な変更でも実務に影響大?「内部統制報告制度」改定のポイントを解説 2023/04/14 上場企業が公表する有価証券報告書などの信頼性を担保する内部統制報告制度の見直しに向け、金融庁の企業会計審議会が4月7日、政府に意見書を提出しました。内部統制部門が評価の範囲を決める際の目安となっていた3分の2という数値基準を「カッコ書き」にするなど、一見すると“地味”な改定内容ですが、監査を受ける企業側には相応の影響が広がりそうです。実務者は今後どのような対応を求められることになるのか。議論の経緯を踏まえつつ、改定実施基準を読み解きます。
記事 証券 「金融サービス提供法」改正案の内容は?「最善利益義務」新設と“仕組債包囲網”の狙い 「金融サービス提供法」改正案の内容は?「最善利益義務」新設と“仕組債包囲網”の狙い 2023/04/04 1 政府は3月14日、金融サービス提供法などの改正案を閣議決定し、国会に提出しました。仕組債販売をめぐる問題に端を発する「顧客本位の業務運営に関する原則(FD原則)」ルール化策が盛り込まれた今回の改正案の狙いと、仕組債包囲網の拡大を図る当局の「次の一手」について考えます。
記事 金融業界グローバル動向 グリーンウォッシュ対策に必須の「ESGデータ」、検討すべき 「リスクと対策」 グリーンウォッシュ対策に必須の「ESGデータ」、検討すべき 「リスクと対策」 2023/03/28 ESGデータが重要な判断指標となるにつれ、その品質のばらつきや整合性の欠如が課題として挙げられるようになってきました。市場が複雑化し、投資家などからも、商品性やファイナンスの効果について「説明の裏付け」や担保を求める声も聞かれています。特に懸念が高まりつつあるのが、さもサステナビリティへの配慮があるかのようにふるまう「グリーンウォッシュ」です。本稿ではグリーンウォッシュ対策に有効な「ESGデータの現在地」について解説します。
記事 金融ガバナンス・内部監査 日本政府が示す「経済安全保障対応」の全容、具体的な調査対象とは? 日本政府が示す「経済安全保障対応」の全容、具体的な調査対象とは? 2023/03/24 個別金融機関のサイバーセキュリティ対策、グループ企業を巻き込んだ対策の高度化、サードパーティリスク対応、と段階を踏んで進んできた金融分野のセキュリティ対策だが、最終形態となる国を挙げた対策である経済安全保障のガイドラインがおおよそ判明した。本項では、肝となる対策の方向感と現状の課題について解説する。
記事 金融ガバナンス・内部監査 金利上昇は関係ない? 経営破綻を招いた「シリコンバレー銀行」の特殊なビジネスモデル 金利上昇は関係ない? 経営破綻を招いた「シリコンバレー銀行」の特殊なビジネスモデル 2023/03/15 米国カリフォルニア州に拠点を置くシリコンバレー銀行が経営破綻した。直接的な原因が金利上昇による損失拡大だったことから、急ピッチな利上げの弊害を指摘する声も上がっている。日本も今後、金利上昇が確実視されているが、今回の破綻劇について、どう理解すれば良いのだろうか。
記事 金融業界グローバル動向 TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)とは何か? わかりやすく解説 TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)とは何か? わかりやすく解説 2023/03/06 気候変動リスクが問われる中、今多くの企業で注目されているのがTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)です。このTCFDは企業が気候変動リスクに対して、表面的な対応ではなく、経営に組み込むことで当事者として対応していくための新たな財務的な枠組みとなります。これまで考えなくてもよかったことを考えなければならなくなった時代、このTCFDをきっかけとして企業はどのように組織を変革していけばいいのか。今回は、TCFDの概要やその対応、そして企業におけるTCFDの課題について解説します。
記事 金融ガバナンス・内部監査 「暗号資産は徹底的に敬遠」、次世代金融調査が可視化「日本人の超慎重姿勢」 「暗号資産は徹底的に敬遠」、次世代金融調査が可視化「日本人の超慎重姿勢」 2023/02/24 暗号資産など次世代金融への投資に対する日本人の「超慎重姿勢」ともいえる傾向が、SBI金融経済研究所が実施したアンケート調査で明らかになりました。米国など主要6カ国内で比較したところ、暗号資産の認知度、関心度は日本が最も低く、NFTやステーブルコイン、セキュリティートークンにいたっては聞いたことすらないという人が大半を占めます。さらに、詳しい知識を持っている人でさえ投資になかなか踏み出さない傾向も明らかになり、国内でビジネス拡大を狙う事業者サイドにとって、乗り越えるべき課題の多さを印象づける結果に。なぜ、次世代金融への投資機運は日本でこれほど低調なのか?──調査を主導した同研究所研究主幹・杉浦俊彦氏に考えを聞きました。