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- 2007/02/09 掲載
M&Aの成否は買収後によって決まる、ソフトバンクのボーダフォン買収後の戦略を追う(2/2)
携帯電話は、つながらなければ意味がない。全国どこででもつながりやすくするために、ソフトバンクは基地局増強もコミットした。その中身は、2007年3月末までに46,000局の基地局を増設するというもの。
2月8日時点の状況は、開局済みが26,200局、工事中が14,000局、用地確保が5,870局だという。基地局構築には用地の確保が一番困難。しかし、用地さえ確保すれば後は時間の問題で基地局は構築できるという。
ボーダフォン時代、コンテンツの数は、au、ドコモに比べて少なかった。しかしソフトバンクの強みはヤフーを抱えていること。ソフトバンクは、ヤフーでこの弱点を補うことに力を入れた。「Yahoo!ケータイ」の導入で、皆が使いなれたパソコンのヤフーを携帯でも体験できるようにしたのである。すぐに効果はあらわれた。「Yahoo!ケータイ」発売後、ページビューは大幅に増加、2月3日時点のページビューは、6月末に比べて45倍に増えたという。
また、ソフトバンクにはヤフー以外にも豊富なコンテンツを保有している。ヤフー動画はナンバー1のユニークユーザー数849.1万名をほこり、競合のギャオを圧倒している。他には、福岡ソフトバンクホークス、マイスペースなど。海外コンテンツとしては中国アリババとの合弁会社「Taobao.com」(ともに50%)が3000万人ユーザーを抱え、オークションサイトでは世界ナンバー1になりつつある。
孫社長は、コンテンツ強化に関して、「われわれの社名は、“ソフト”バンクです」と、今後の新たな強力コンテンツのサービスインに自信を見せた。
2007年2月8日、ソフトバンクは2007年4-12月期の決算発表を行った。売上額は1兆8,223億円、営業利益は1,972億円、経常利益は1,116億円と創業以来、過去最高を記録した。2007年1月の携帯契約数は16万4,000件で3社の純増シェアは43%と、こちらも過去最高を記録した。MNP開始前は、ソフトバンク一社が一人負けになるとも言われたが、今のところそのようにはなっていない。買収してまだ一年も経っていないが、スタート直後の結果は確実に出ているのではないだろうか
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