• 2025/12/13 掲載

台湾のソブリンAI戦略、AI主権強化のため新クラウドセンターを開設

「ハードウェア製造大国」から「AI技術のリーダー」への転換を象徴するプロジェクト

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台湾政府は2025年12月12日、南部・台南市で最先端のクラウドコンピューティングセンターを開設し、国家の「ソブリンAI(AI主権)」戦略の強化を図るインフラ整備を進めている。
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(Photo/Shutterstock.com/jamesonwu1972)
台湾総統・頼清徳(Lai Ching-te)は同日、新設した施設の開所式に出席し、従来の「ハードウェア製造大国」から「AI技術のリーダー」への転換を象徴するプロジェクトだと述べた。15メガワット級の電力供給を備えるこのクラウドセンターには、台湾最大級のスーパーコンピューター「Nano 4」が設置されており、NvidiaのH200 GPU 1,760基とBlackwell GPU 144基が稼働する。政府はこの施設を、高性能コンピューティング、通信、クラウドサービス、デジタルコンテンツといった幅広いAI関連分野の研究・開発拠点と位置付けている。

このクラウドセンターは、台湾が2025年7月に発表した「10大AIインフラプロジェクト(Ten Major AI Infrastructure Projects)」の一部として計画されたもので、同島を「スマート技術の島」として国際競争力を強化する政策の中心に位置付けられている。

複数の企業発表によれば、政府や民間の投資はクラウド・AIインフラ全体の拡大につながっている。台湾AI Cloud(ASUS政府共同設立)は複数のTOP500スーパーコンピューターを構築し、AI主権の促進を図っているとの情報があるほか、GMI CloudがNvidia協力のもと5億ドル規模の「AI Factory」を台湾に設置し、高密度GPUコンピューティングの現地展開を目指している。
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【画像付き記事全文はこちら】
主要各国のソブリンAI(AI主権)戦略


また、Foxconn(鴻海精密工業)はNvidiaと提携して大規模なAIスーパコンピューティングセンター(AI Factory)プロジェクトに取り組んでおり、GPUベースのAIインフラを政府・産業界・学術界に提供する計画が進んでいると発表している。

AIインフラの整備は、Googleなど海外クラウド事業者の台湾拠点投資とも重なっている。Googleは台北に米国外最大級のAIインフラエンジニアリングセンターを開設し、台湾をAIイノベーションの重要拠点と位置付ける投資を進めている。これには台湾側の政策支援や信頼性の高い投資環境が影響しているとされる報道もある。

台湾政府全体の戦略としては、AIデータセンターや高性能計算インフラへの投資を通じて、データ主権・データガバナンスを強化し、海外依存を低減する「ソブリンAI」実現が掲げられている。また、半導体産業やICTインフラを背景に、国内のAI人材育成・研究開発環境の整備が進められている。

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