- 2009/03/04 掲載
【連載:世界恐慌を突破するためのツール、経営の「見える化」】(2)奇跡のV字回復を「見える化」する
多変量解析総合評価分析を利用した「SPLENDID21」の開発者として多くの会計事務所、中小企業、中堅企業、上場企業を指導中。「科学的経営」を志向する経営コンサルタント。
単身、上場企業に赴き、経営の隠れた問題点をズバリ指摘。表向きにはまず分からず、経営陣も見逃していた問題点に対する的確な指摘に、上場トップが驚きを隠さない辣腕コンサルタント。
氏いわく、「売上も利益も出ていて、一見どこにも問題ないように見える企業ほど、確実に見えない悪い部分が広がっていることが多い」と指摘。また、「現状が非常に悪い企業でも、どこにテコ入れすれば、2年後に復活できるかを的確にアドバイス。
1955年生まれ、和歌山県出身。現在、株式会社戦略経営研究所 代表取締役社長。
■株式会社戦略経営研究所
大阪市中央区安土町1-6-19プロパレス安土町ビル7階D号
電話 06-4964-4154
FAX 06-4964-4164
http://www.riskm.com/
■SPLENDID21
株式会社SPLENDID21
大阪市中央区安土町1-6-19プロパレス安土町ビル7階D号
電話 06-6264-4626
FAX 06-4964-4164
http://www.sp-21.com/
info@sp-21.com
日本電産サーボをベンチマークする
世界恐慌を突破するためには、V字回復を実行できた企業をベンチマークすることが重要です。前回は日産自動車のカルロス・ゴーン社長を例に引きましたが、今回は「解雇なきリストラ」を行い、日本電産サーボを奇跡のV字回復に導いた日本電産の永守社長をベンチマークしたいと思います。日本電産サーボは、群馬県桐生市に本社を置くブラシレスDCモーター、ステッピングモーターなど、精密小型モーターの製造会社です。もとは日立グループでしたが、2007年4月、日本電産がTOBにより子会社化し、永守重信氏(日本電産社長)が取締役会長に就任されました。永守氏は「風がなくても凧をあげる経営」をスローガンにコストダウンと決断力の経営、思考スピードの経営を徹底されています。TVの人気番組で2週連続特集になったので、ご存じの方も多いと思います。(日本電産サーボは11カ月で5億6,000万円の営業赤字から20億5,000万円の営業黒字にV字回復。)※クリックで拡大 |
図1:日本電産のV字回復 |
思考スピードを速め、無駄をなくす
決断力の経営、思考スピードの経営を行うためには、永守社長のようなカリスマは別格として、通常は、経営の「見える化」ツールを利用するのが一番の近道です。それでは、SPLENDID21を用いて、日本電産サーボをサンプルとして、経営を「見える化」するためのロジックの体系図を一目瞭然化してみましょう。
SPLENDID21は、会計学×統計学×認知科学×経営学として、複雑系経営分析モデルを用い、人間の脳内にある地図思考を覚醒させ、「思考スピード」を加速させます。
※クリックで拡大 |
図2:会計学×統計学×認知科学×経営学で人間は天才化 |
3Q6Sの徹底化
日本電産サーボは、経営体質の強化のために日本電産流マネジメントの導入を図り、売上増・原価低減・経費削減とともに3Q6S活動(「良い社員(Quality Worker)」「良い会社(Quality Company)」「良い製品(Quality Products)」「整理(Seiri)」「整頓(Seiton)」「清潔(Seiketsu)」「清掃(Seisou)」「作法(Saho)」「躾(Shitsuke)」)を中心とした社員意識改善活動を展開しました。(6Sは通常5Sとして展開されているケースが多い。その場合、「作法(Saho)」が外される。東芝では、「しっかり」「しつこく」を足して7Sとしている。)5Sは項目を網羅して列挙し、5Sメニューの「見える化」を行い、評価すると良いでしょう。
たとえば、整理に関する事務所に関する項目例として以下のようなものがあります。
【1】机は広く使っているか
【2】キャビネットには保管されている内容を表示してあるか
【3】業務終了後、机上に電話機以外のものを置いていないか
【4】ファイルには見出し、背表紙がついているか
【5】共同のものを私物化していないか
など。
5Sを実行する際に、継続力が養われれば、コストダウンを行うときにその継続力が威力を発揮することになります。
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