- 2025/07/13 掲載
人は1日3万5000回も「決断」している。現代人が知るべき「意思決定」の複雑性とは
1983年大阪生まれ。2006年に東京外国語大学英語科を卒業後、外務省入省。2009年米国ペンシルバニア大学で組織開発修士を取得し、外交官としてワシントンDC、イスラエル/パレスチナに駐在。2013年に帰国後は、安全保障や経済問題等さまざまな分野で政府間交渉に携わるかたわら、首相・外相の英語通訳を務める。国益と価値観がぶつかり合う前線に立つ中で、個と組織のあり方に強い関心を持ち、2018年独立。以降、コンサルタントとして国内外の企業の組織・人材開発を支援。リーダーシップ育成、ビジョン・バリュー策定、カルチャー変革、学習型組織作り、事業開発等のサポートを行う。2021年からは米国ミネルバと事業提携し、日本企業向けのリーダーシップ開発プログラム「Managing Complexity」を展開。自身も講師を務める。
ジョブズ氏が実証「決断が増えれば意思決定能力が低下する」
「意思決定」や「決断」というと、非常に重たく高次元の事柄のように感じますが、決してそんなことはありません。ケンブリッジ大学バーバラ・サハキアン教授の研究によると、私たちは、言語、食事、交通といった事柄だけでも、小さなものを含め1日で平均2万回以上も何かしらの選択や決断を行っているそうです。これに、歩く、座るといった身体の使い方や会社や自宅で行っている決断まですべて含めると、最大で3万5000回に及ぶそうです。スティーブ・ジョブズ氏が不必要な意思決定の数をできるだけ減らすために毎日同じ服装を選んでいた、というのは有名な話です。これは、決断の数が増えれば増えるほど脳の負荷が高まり、人間の意思決定能力が低下するということの証左とも言えます。
数多ある意思決定について、経営コンサルタントのデイブ・スノーデン氏はその難易度や複雑性に基づき5つの大きな分類に整理しました。これを「クネビン・フレームワーク(Cynefin Framework)」と呼びます。クネビン・フレームワークは、組織や個人が直面する意思決定や問題解決の状況を理解し、それに応じた適切なアプローチを考えるためのツールです。要点をしぼって紹介します。 【次ページ】複雑性に応じて分類した5つの意思決定フレームワーク
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