- 2010/01/22 掲載
富士通の新社長に生え抜きの山本正己氏、歴代2番目の若さ
同社では次期社長を選任するため、社外取締役を含む指名委員会を10月より発足。1月18日に山本氏に新社長就任が打診されたという。その山本氏は1月22日付けで執行役員副社長に就任。4月1日付けで代表権のない執行役員社長に就任する。その後、6月の株主総会で信任後、代表権が間塚氏から移る形になる。
山本氏は、1954年生まれの56歳。歴代の富士通の社長としては2番目の若さになる。1976年の入社以来、ワープロ、パソコン、携帯電話、サーバなどプロダクト部門の要職を歴任する生え抜き。海外経験はないが、富士通シーメンス(現在の富士通テクノロジー・ソリューションズ)の完全子会社化の事業を手がけた。
指名委員会では、社長の選任に合わせて、執行役員副社長も同時に選任。グローバルビジネスを担当するリチャード・クリストウ氏、サービス(クラウド関連)担当の石田一雄氏、管理部門担当の藤田正美氏、システムプロダクト(モバイル含)佐相秀幸氏、ソリューション担当の生貝健二氏の5名体制。現在同社は副社長3名体制だが、「サービスとプロダクトを分け、社長が兼務していた管理部門担当を増やしたが、これは言わばこれまでが空席だっただけ(山本氏)」と説明する。また、「担当はあるが、全員が富士通を見ていく(間塚氏)」として、縦割りにならない仕組みを目指すと語った。
間塚氏は、山本氏を新社長に選任した理由として、「時代の先をゆくプロダクトの先端に携わり、これからの新しいIT時代の変化に耐えられる柔軟性」と「決めたことをやり抜く姿勢」が、指名委員会で評価されたとした。副社長も、5人のうち、4人は山本氏よりも年上ながら、クリストウ氏を除き、4人は50代。経営陣の若返りを図り、経営のスクラップアンドビルドを進める。取締役は今後選任していく。
野副社長体制では、利益率の低いPC部門や携帯電話、半導体事業の売却の可能性も示唆されていたが、クラウド時代において「重要なのは人とコンピュータの接点(山本氏)」、富士通が得意とする「Human Centric」な分野を生かすために、同事業の継続を明らかにした。野副体制で目標とされたIAサーバの世界販売50万台は据え置き、クラウド時代の「プラットフォームの中心となる重要な位置付け(山本氏)」と語った。スパコンやプロセッサ部門なども継続。「クラウドは垂直統合が課題(山本氏)」としながらも、半導体事業などのハードウェア事業でも「今の事業できっちり儲けられるようにしていく(間塚氏)」という。
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