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- 2025/06/23 掲載
【実践】生成AIを使って「たった1人」で「SaaS開発」に挑戦したら「ヤバすぎた」
フリーのテクニカルライター。コンシューマからエンタープライズまで、初心者向けの記事からテクニカルな解説記事、広告記事、企業取材記事などを手がける。執筆した書籍はこれまでに約80冊。オールアバウトでは「パソコンソフト」「ワード(Word)の使い方」「MS Officeの使い方」のガイドもつとめる。2008年からWordカテゴリーでのMicrosoft MVP。
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前編はこちら(※この記事は後編です)
開発工数1/15~1/50、「たった1人」でシステム開発
生成AI(以下、生成AIやAIエージェントをまとめてAIとする)を活用すると、システム開発のプロセスは大きく変わる。具体的には、「企画」「要件定義」「開発」「評価」の各プロセスで人とAIによる共同作業が可能になり、効率が劇的に上がる。どう変化するのか、AIを活用するメリットなどの詳細は、前編の記事を参照してもらいたいが、その圧倒的な生産性を神谷氏は自ら実証した。神谷氏は、生成AIを活用して「Panacel(パナセル)」というサービスを開発した。これは、現在、稼働中のサービスであり、誰でも利用できる。その概要を、神谷氏は次のように説明する。
「Panacelは、メール業務効率化のためのアプリケーションです。連絡先管理、メール管理、資料管理の機能を持ち、レスポンシブ対応(PC/モバイル対応)、マルチ言語(日・英)対応、任意タイムゾーン対応、月額・年額サブスクリプション対応など、初期リリース時点にしては機能が豊富なアプリケーションだと思います」(神谷氏)
たとえば、展示会や交流会で大量の名刺を集めたあと、自社の製品やサービスを案内するメールを送信することはよくある。ただしメールを送るのが遅くなったり、画一的な内容になったりしがちだ。
Panacelは、こうした課題を解決できるサービスである。受け取った名刺をカメラで撮影して即座にデータベース化したり、話した内容を記録したりしておくことで、相手に合わせたパーソナライズされたメールを簡単に作成・送信できる。

「Panacelは、コードのステップ数にして約7万行のプロダクトです。IPA(情報処理推進機構)の「ソフトウェア開発分析データ集2022」の統計値を参照して開発工数を試算すると、中央値ベースでは約113人月、効率が最大の場合でも約30人月(5人で半年ほど)はかかる規模感のプロダクトです。しかし生成AIを活用することで、私1人で、約2カ月で開発しました。単純計算すると、開発期間は1/3~1/10、工数(費用)は1/15~1/50になっています」(神谷氏)
ここからは、神谷氏がこのサービスをどうやって開発したのか、そのプロセスの詳細を紹介しよう。 【次ページ】動画でも解説、「AI使ってSaaS開発」した方法
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