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- 2010/03/26 掲載
【連載】デフレ経済を勝ち抜く攻めのM&A(2)業界特有の経営課題にM&Aの実施で対応した事例
アリックスパートナーズ・アジア・エルエルシー
ディレクター
竹島英樹は、20年以上にわたり金融(法人融資・M&A・株式新規公開・プリンシパルインベストメント)並びに、経営コンサルティングの両面にてグローバルにキャリアを積んできたプロフェショナルです。
アリックスパートナーズ入社前は、大手戦略コンサルティングのブーズ・アンド・カンパニーにて、国内外の主要企業に対する戦略立案・改革実行支援・コスト削減などのプロジェクトに携わっておりました。特に大型企業再生案件に関わることが多く、現場での経験と知見を豊富に備えています。
それ以前は、ゴールドマン・サックス証券投資銀行部門及びプリンシパルインベストメント部門に籍を置き、株式新規公開やM&Aアドバイザリー業務、バイアウト・ベンチャー投資等の業務に携わり、各業務における一連のプロセスを熟知しております。さらに前職の東京三菱銀行では、法人融資並びに為替フォワードの自己勘定トレーディングなどの経験もございます。
【アリックスパートナーズについて】
アリックスパートナーズは、米国デトロイトに本社を置く世界最大規模の「企業再生専門のプロフェッショナルファーム」。日本支社は、アジア初の拠点として2005年に設立された。
現在、日本オフィスでは20数名のプロフェッショナルスタッフが、緊急対応を要するような苦境や危機に陥った企業の支援業務に特化し、「再生専門のプロフェッショナル集団」として数多くの成果を遂げている。2009年12月には、企業再生をテーマとした書籍『企業再生プロフェッショナル』を出版した。
弊社アリックスパートナーズが企業再生の努力を続けているなかで、大きな壁に突き当たることがある。それは「地球温暖化防止」「少子高齢化」「水平分業のグローバル化の進展」など事業の前提条件となっている外部要因が急激に変化しているのに対し、業界構造ないしは産業構造の変革が遅々として進んでいない場合である。こういった場合、1つの企業の中での努力だけでは限界があるため、M&Aが有効な解の1つであるケースが少なくない。
業界再編の起爆剤となりうる新日本石油・新日鉱の経営統合
新日本石油・新日鉱は2010年4月に両社グループの全事業を分野別に完全統合する。持ち株会社の傘下に石油精製販売事業会社、石油開発事業会社、金属事業会社を置く、売上高13兆円強、国内ガソリン販売シェア33%を握る世界第8位の石油会社が誕生する。この統合の背後にある要因について以下検討する。国内燃料油需要は1999年度の約2億4600万キロリットルをピークに減少傾向にあり、2008年度は約2億104万キロリットルと前年度比8.0%減少、過去2番目の下げ幅を記録した。また今後5年間の見通しについても、年平均-3.5%のペースでの減少が見込まれ、2013年度の需要は1億6821万キロリットルにまで落ち込むものと予想されている。これは概ね1960年代後半の水準まで需要が減退することを意味する。
この急激な需要減少であるが、循環的な景気悪化に加え、少子高齢化の進展に伴う内需の減少、ハイブリッド/電気自動車やソーラー発電等の「脱石油」エネルギーの普及など、冒頭に述べた外部要因の変化が大きく影響している。
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