浪速のロッキーといえば元プロボクサーの赤井英和。試合中の怪我で生死をさまようも復活、俳優やタレントとして不屈の挑戦を続けている。このチャレンジ精神を彷彿とさせるのが大阪府堺市に本社を構えるナカニの中尾雄二社長(55)だ。ナカニは明治時代に大阪で確立された“注染(ちゅせん)”の技法を今に受け継ぐ老舗メーカー。長年、手ぬぐいの染めを生業としてきたが、近年は化繊のタオルや輸入品に押され、周囲には廃業者が続出。まさに伝統の灯が消えようとしていた。このピンチを救うべく立ち上がったのが二代目で伝統工芸士の中尾社長である。