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  • 2014/03/13 掲載

電通総研 奥 律哉氏が語る世代論から見たビジネスのヒント 「人はみな年をとる」

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国内最大手の広告会社として、さまざまな媒体を通じて一般オーディエンスに情報を届けている電通。同社は先ごろ開催されたアスキークラウド主催のイベントにおいて、世代ごとに変化するメディアと嗜好の関わり方について、業界のガリバーがユーザー目線で徹底的に分析したレポートを発表。スマホやSNSなど、媒体の使い方が時代とともに変わる中で、どのように企業はオーディエンスとコミュニケーションをとり、ビジネス戦略を立案すべきなのか?電通総研の奥 律哉氏は、独自調査をもとにヒントを探った。

フリーライター 井上 猛雄

フリーライター 井上 猛雄

1962年東京生まれ。東京電機大学工学部卒業。産業用ロボットメーカーの研究所にて、サーボモーターやセンサーなどの研究開発に4年ほど携わる。その後、アスキー入社。週刊アスキー編集部、副編集長などを経て、2002年にフリーランスライターとして独立。おもにロボット、ネットワーク、エンタープライズ分野を中心として、Webや雑誌で記事を執筆。主な著書に『キカイはどこまで人の代わりができるか?』など。

メディア利用の主流ツールは着実にモバイルへ

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電通・電通総研
研究主席

メディアイノベーション
研究部長
奥 律哉氏
 いま映像を視聴できるメディアとしては、テレビ、パソコン、ケータイの3つが代表的なものだ。これらの普及率を見ると、テレビは総世帯あたり98.6パーセントに達し、100世帯あたり2台は所有している一方、パソコンは約67パーセント、ケータイは90.6パーセントという結果。単数世帯ではパソコンは41.3パーセントと半数に満たないが、逆にケータイは79.5パーセントと高く、若い世代の主流メディアだ。パソコンもタブレットに地位を奪われ、今後はその傾向がもっと顕著になりそうだ。

 では、メディアの利用実態はどのように変化しているのだろうか?

 メディアを主導してきたテレビについては、2000年代からネットと同時利用する「ながら」が進展してきた。ながらにより、総メディアの利用時間の増加が吸収された形だ。テレビと同時に見るメデイアは、初期のころはパソコンだった。しかし、最近ではケータイやタブレットが増加し、全体の3分の2がモバイル端末へシフトしているそうだ。

統計の「経年変化」に注目する

画像
トリプル・スクリーン(テレビ、パソコン、ケータイ)の普及率。テレビ、ケータイ、パソコンの順に浸透。パソコンはタブレットにその地位を奪われつつある
 さらに奥氏は、テレビとネットの同時利用について世代別で深堀りして紹介した。M3/F3 (男性/女性50歳以上)の層では、テレビと相対するのは新聞・雑誌・ラジオだ。しかし、FTeen(女性15-19歳)とF1(女性20-34歳)においては、テレビとの相対はほとんどがケータイという結果。「現在、パソコンはテレビと相対するものではありません。なぜなら、お茶の間にないから。そのため手元にあるメディアとしてケータイが対象になってきます。一方、パソコンとの相性がいいのはM1層(男性20-34歳)です」

 しかし、統計は年を経ると変化していく点に注意する必要があるという。たとえば10年後の調査はどうなるのか?

 当然だが、加齢によって結果は変化する。インターネットの普及率は2012年は79.5パーセント。だが2017年に82.1パーセント、2022年には84.1パーセントになると試算されている。少子高齢化の影響もあるが、世帯数は2020年をピークに減少し、このときの世帯人数は平均2.29人だ。世帯数は増えても単身者が多くなり、人口は減る方向だ。奥氏は「今後はネットユーザーのボリュームゾーンが50歳代へシフトしていくことが予想され、シニアマーケットが全体的に膨らみ、一方で若年マーケットはシュリンクしていくでしょう」と語る。

【次ページ】各世代の特徴にみるビジネスヒントがここに

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