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  • 2017/01/31 掲載

ドイツ事例に学ぶ、製造業企業が注目するウェアラブルの「真の価値」と「使い方」

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「ウェアラブルデバイス」というと、ヘッドマウントディスプレイやスマートグラス、スマートウォッチとさまざまな製品が市場に出ている。しかし、ビジネスシーンではまだ普及していない。ウェアラブル機器の企画、開発、製造、流通、販売を行うテレパシージャパンの代表取締役 鈴木 健一氏は、ドイツの事例を挙げ、ウェアラブルデバイスは製造業にベネフィットをもたらすという。ウェアラブルの本当の価値と使いどころを解説する。

執筆:フリーライター/エディター 大内孝子

執筆:フリーライター/エディター 大内孝子

主に技術系の書籍を中心に企画・編集に携わる。2013年よりフリーランスで活動をはじめる。IT関連の技術・トピックから、デバイス、ツールキット、デジタルファブまで幅広く執筆活動を行う。makezine.jpにてハードウェアスタートアップ関連のインタビューを、livedoorニュースにてニュースコラムを好評連載中。CodeIQ MAGAZINEにも寄稿。著書に『ハッカソンの作り方』(BNN新社)、共編著に『オウンドメディアのつくりかた』(BNN新社)および『エンジニアのためのデザイン思考入門』(翔泳社)がある。

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テレパシージャパン
代表取締役
鈴木 健一氏


インフラ、設備管理、自動車整備、観光、農業とスマートグラス

 テレパシージャパンは、日常できちんと使えるスマートグラスを製作し、それを実用品になるように働きかけていくことをミッションとして、「Telepathy Jumper」「Telepathy Walker」という2機種のスマートグラスを出しているスマートグラス専業メーカーだ。 この2つは屋外で使える、眼鏡と併用できる、軽いということをコンセプトに設計されている。





 屋外で使える明るさ、色再現性、インフォメーションデバイスとして人が認識できる範囲で無理なく情報を取得できるよう画角も絞ったものになっている。

 また、外部のエンジニアがアプリを公開できる仕組みを用意し、国内でも累計で25社以上のパートナーと一緒にトライアルを進めている。その分野はインフラ、設備管理、自動車整備、観光、農業と幅広い。具体的には、アイテック阪急阪神とのビル建設支援、花やしき、オプティムと佐賀大との共同研究(ドクターヘリでの遠隔作業支援)が実際に始まっている。

 ただ、残念ながら日本ではウェアラブルの普及は非常に遅れている。これは、ウェアラブルが私たちに何をもたらすのかが具体的に見えないからだ。

ドイツの製造現場でのウェアラブル導入

 実は、製造現場はウェアラブルが活躍する分野として早くから期待されている。特に効果が期待されるのは、ジョブトレーニング、作業支援、遠隔操作といった製造現場の技術支援だ。

 では、ウェアラブルデバイスの有益性はどのポイントにあり、何ができるのだろうか。

 鈴木氏が紹介するのはドイツの状況だ。ドイツは、インダストリー4.0と相まって、製造業支援のためのウェアラブルデバイス導入に成功している。世界的にも先行している国だ。ウェアラブル専用のSIerのような企業が数社存在し、VAR(Value Added Reseller)として、さまざまな工程でアプリケーションを展開し、運用しているという。

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日本もドイツ同様、中小企業が産業を支えている。IoT、AI、ウェアラブルを製造現場で活用することで日本のインダストリー4.0が出発できるのではないかと鈴木氏はいう。
 製造業におけるウェアラブルの活用には、大きく下記の4つのポイントがある。

(1) 作業スキーム
(2) 遠隔作業支援
(3) 検査工程支援
(4) 物流プロセス

 たとえば、作業スキームを必要とされる現場で、ウェアラブルデバイスで映し出されるAR(拡張現実)のナビゲーションやインタラクションに従って仕事をすることで、トレーニングなしにラインに立って、以前の担当者と同じ品質でものを作るということができるようになる。あるいはスマートグラス、スマートウォッチ、バーコードスキャナを組み合わせ、ピッキングシステムを効率的にすることもできる。メルセデス・ベンツの工場やサムスンの倉庫でもこういったデバイスが実際に運用され、効率を上げている。

【次ページ】ドイツでウェアラブルが成果をあげている分野

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