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  • 2017/01/31 掲載

新日鉄住金ソリューションズとHTCが描くウェアラブルの未来、VRxARxAIは融合するのか

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VR(Virtual Reality、仮想現実)やAR(Augmented Reality、拡張現実)、そしてAIは注目を集めており、2025年までにVRハードウェアで311億ドル、ソフトウェアで277億ドルの市場になると見込まれている。そこで、HTC VR New Technology バイスプレジデントのレイモンド・パオ 氏が、VRテクノロジーの発展を促すベンチャーキャピタルの動きを解説し、新日鉄住金ソリューションズ 技術本部 システム研究開発センター イノベーティブアプリケーション研究部 統括研究員の笹尾 和宏 氏が、ウェアラブルデバイスとAR、AIを組み合わせることで可能になる技術を解説する。

フリージャーナリスト 小山 健治

フリージャーナリスト 小山 健治

1961年生まれ。システムエンジニア、編集プロダクションでのディレクターを経て、1994年よりフリーランスのジャーナリスト、コピーライター。企業情報システム、BI、ビッグデータ、IT関連マーケティング、ストレージなどの分野を中心に活動中。著書に、「図解 情報・コンピュータ業界」(東洋経済新報社)、「One to One:インターネット時代の超マーケティング」(IDL)、「CRMからCREへ」(日本能率協会マジメントセンター)などがある。

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HTCはVRのエコシステムを拡大、新日鉄住金ソリューションズはウェアラブルをAIとつなげていくという
© chombosan – Fotolia



HTCが拡大するVRコンテンツの「エコシステム」

 「いまやモバイルのテクノロジーもかなり成熟したレベルに達し、次の波として訪れるのはVRのテクノロジーだ」。台湾HTC社 VR新技術担当バイスプレジデントのレイモンド・パオ氏は、このように語る。

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HTC
VR New Technology
バイスプレジデント
レイモンド・パオ 氏
 さらに、「2025年までにVRハードウェアが311億ドル、VRソフトウェアが277億ドルの巨大市場に成長する」という見通しを示す。現時点でVRの利用の半数近くを占めているのはゲームだが、今後はライブ中継や医療、教育、小売りなどにも、どんどん用途が広がっていくという。

 こうしたVRビジネスの成長エンジンと位置づけられているのが、HTCが2016年9月に全世界に向けてリリースしたVRコンテンツ配信プラットフォーム「Viveport」である。ゲームやビジネス向けアプリケーション、ツールなど、Viveportに対応したコンテンツはすでに1000を超える。現在も毎月数百社を超えるデベロッパーがこの「エコシステム」に加わっており、「ViveportはVRコンテンツ業界で世界最大の勢力を誇るプラットフォームとなった」とパオ氏は強調する。

 さらにHTCは、ゲームセンターなどのアミューズメント施設に向けてVRコンテンツの配信および管理を行うプラットフォームとして、新たに「Viveport Arcade」の提供も開始した。

 これまでアミューズメント施設ではVRコンテンツの利用環境の整備が進んでおらず、コンシューマー用に開発されたコンテンツを流用するといったライセンス違反が発生していたのが実情だった。そうした中で、Viveport Arcadeは、アミューズメント施設の運営管理者がVRコンテンツの正式なライセンスを簡単に取得できる仕組みを提供するのだ。

 「VRコンテンツのデベロッパーとアミューズメント施設の双方が利益を正しく分け合える、あるべき市場の発展を後押しする」とパオ氏は語る。

VR向け投資を行うVCが全世界で投資を拡大

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 HTCの戦略は、VRコンテンツの育成そのものにも向かっている。

 その1つがスタートアップ支援プログラムの「Vive X」だ。総額1億ドルに及ぶ資金面のサポートをはじめ、メンターシップや教育、財務、人事、会計などスタートアップを総合的に支援する充実した内容となっている。

 Vive Xに選定されたスタートアップは、北京、台北、サンフランシスコの3拠点で医療や教育、ビジネス活用など多彩な開発を行っており、「VRコンテンツの新たな付加価値の発信源となる」とパオ氏は語る。

 さらに注目すべきが、昨年6月に発表されたVR向け投資を行うベンチャー・キャピタルのグローバルな業界団体となる「VRVCA(Virtual Reality Venture Capital Alliance)」の設立だ。ARやMR(Mixed Reality、複合現実)を含めた広義のVRコンテンツのデベロッパーに対してベンチャー・キャピタルが連携して投資を行い、業界の活性化と市場の拡大を図るのである。

 パオ氏によると、VRVCAにはすでに全世界から30を超えるベンチャー・キャピタルが参画しており、それぞれVR専用のファンディングを持ち寄ることで、総額500億ドルを超える資金が準備されているという。まさに世界最大規模のVRアライアンスだ。

【次ページ】新日鉄住金ソリューションズはウェアラブル、AR、AIの融合を目指す

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