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- 2017/01/31 掲載
新日鉄住金ソリューションズとHTCが描くウェアラブルの未来、VRxARxAIは融合するのか
HTCが拡大するVRコンテンツの「エコシステム」
「いまやモバイルのテクノロジーもかなり成熟したレベルに達し、次の波として訪れるのはVRのテクノロジーだ」。台湾HTC社 VR新技術担当バイスプレジデントのレイモンド・パオ氏は、このように語る。こうしたVRビジネスの成長エンジンと位置づけられているのが、HTCが2016年9月に全世界に向けてリリースしたVRコンテンツ配信プラットフォーム「Viveport」である。ゲームやビジネス向けアプリケーション、ツールなど、Viveportに対応したコンテンツはすでに1000を超える。現在も毎月数百社を超えるデベロッパーがこの「エコシステム」に加わっており、「ViveportはVRコンテンツ業界で世界最大の勢力を誇るプラットフォームとなった」とパオ氏は強調する。
さらにHTCは、ゲームセンターなどのアミューズメント施設に向けてVRコンテンツの配信および管理を行うプラットフォームとして、新たに「Viveport Arcade」の提供も開始した。
これまでアミューズメント施設ではVRコンテンツの利用環境の整備が進んでおらず、コンシューマー用に開発されたコンテンツを流用するといったライセンス違反が発生していたのが実情だった。そうした中で、Viveport Arcadeは、アミューズメント施設の運営管理者がVRコンテンツの正式なライセンスを簡単に取得できる仕組みを提供するのだ。
「VRコンテンツのデベロッパーとアミューズメント施設の双方が利益を正しく分け合える、あるべき市場の発展を後押しする」とパオ氏は語る。
VR向け投資を行うVCが全世界で投資を拡大
その1つがスタートアップ支援プログラムの「Vive X」だ。総額1億ドルに及ぶ資金面のサポートをはじめ、メンターシップや教育、財務、人事、会計などスタートアップを総合的に支援する充実した内容となっている。
Vive Xに選定されたスタートアップは、北京、台北、サンフランシスコの3拠点で医療や教育、ビジネス活用など多彩な開発を行っており、「VRコンテンツの新たな付加価値の発信源となる」とパオ氏は語る。
さらに注目すべきが、昨年6月に発表されたVR向け投資を行うベンチャー・キャピタルのグローバルな業界団体となる「VRVCA(Virtual Reality Venture Capital Alliance)」の設立だ。ARやMR(Mixed Reality、複合現実)を含めた広義のVRコンテンツのデベロッパーに対してベンチャー・キャピタルが連携して投資を行い、業界の活性化と市場の拡大を図るのである。
パオ氏によると、VRVCAにはすでに全世界から30を超えるベンチャー・キャピタルが参画しており、それぞれVR専用のファンディングを持ち寄ることで、総額500億ドルを超える資金が準備されているという。まさに世界最大規模のVRアライアンスだ。
【次ページ】新日鉄住金ソリューションズはウェアラブル、AR、AIの融合を目指す
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